Project/Area Number |
13873002
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
経済理論
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Research Institution | Osaka Sangyo University |
Principal Investigator |
林田 治男 大阪産業大学, 経済学部, 教授 (40189676)
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Project Period (FY) |
2001 – 2002
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2002)
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Budget Amount *help |
¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 2002: ¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
Fiscal Year 2001: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
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Keywords | 国鉄の基礎研究 / メーカーの開発力 / メーカーの技術力の評価と重点発注 / 共同設計会議 / 鉄道会社による仕様書の作成 / メーカーの選定と価格の決定 / 基本〜詳細〜製作図面の過程 / 運行と整備を行う鉄道会社 / 「お雇い外人」 / 蒸気機関車の国産化 / 基幹部品の国産化 / 「弾丸列車」と「新幹線」 / 素材・部品部門の技術向上 / 国鉄とメーカーの共同作業 / インセンティヴ・メカニズム |
Research Abstract |
日本の鉄道車両産業は、装置・部品を製造しているメーカーと、車体を製作しそれらを組み付けている車両メーカーから較正されている。まず鉄道会社(JR、公営交通機関、私鉄)が、軌間や車両限界など車輌を制約する地上設備、運転条件、および営業政策などを勘案して仕様書を作成する。鉄道会社は、車両メーカー(必要に応じて装置・部品メーカーも含めて)に仕様書を提示する。メーカー側は仕様に基づいて価格を積算し、見積書を鉄道会社に提示する。ここでメーカーが選定され、価格がほぼ決定される。メーカーは仕様書をベースに基本設計図を描き、鉄道会社の了解を得る。メーカーは基本図から詳細設計図〜製作図面と具体化していく。設備、原材料や部品、労働者の手配を行い製作・組み立てを行う。上述が新型車両の製作に関する一連の流れであるが、基本仕様の変更がないリピート車両の場合と、新技術が採用される車両の場合も併せて研究を重ねた。ここにはメインテナンスの要素が大きく影響している。 以上が電車の新型車両に関する設計製造と整備の関係である。現在「1図面、1メーカー」が基本であるが、車両数が多かった旧国鉄時代には複数メーカーへの分割発注という形態も行われていた。その場合国鉄のイニシアティヴによるメーカーとの共同開発がしばしば行われた。共同設計会議を通じて、開発段階で最良の提案を行い、最も優れた図面を描いてきたメーカーに数量が重点的に割り振られた。当該メーカーが原設計図メーカーとして基本設計図を描き、国鉄がそれを了承し、他メーカーはその図面を配給された。そこから各メーカーが詳細設計図〜製作図面というプロセスをたどった。優れた研究開発に対する評価システムと、そのメーカーに対する重点発注というインセンティヴ・メカニズムにより、メーカーの開発力を引き出す構造が組み込まれ効率的に機能していた。 上述のような鉄道会社とメーカー間の取引関係の中に、日本の鉄道車両産業が優れた技術力を形成してきた理由を読み取ることができる。
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