Project/Area Number |
13873007
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
経済政策(含経済事情)
|
Research Institution | Aoyama Gakuin University |
Principal Investigator |
中込 正樹 青山学院大学, 経済学部, 教授 (30137020)
|
Project Period (FY) |
2001 – 2003
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 2003)
|
Budget Amount *help |
¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
Fiscal Year 2003: ¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
Fiscal Year 2002: ¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
Fiscal Year 2001: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
|
Keywords | 犯罪の認識論 / 自由の喪失 / 公共性意識 / 内発性 / 日常性 / 現象学的問題 / 再生問題 / 犯罪の経済学 / 公共性 / 私的性 / 意味論的逆転 / 意味論的制約 / ベッカー / アーレント / ミクロ的人間観 |
Research Abstract |
本年度も研究の独創性を明確にするように留意しながら、具体的な成果の達成をめざした。実際に完成・出版されたものは裏面に記した論文1本、著作1冊であるが、それ以外に刊行準備中の著作が1冊ある。(「「自由」を超えて:内発性の経済学」)後者の本は自由と内発性の認識論的分析であり、犯罪の認識論的な意味も自由の喪失が公共性意識の喪失につながっていく問題と理解できるから、この本の核心的部分と重なっている。今後さらに修正・再検討を加えてこれも何らかな形での出版を考えていきたい。 以下では、本年度発表した論文と著作の内容について説明する。「「日常性」の経済哲学」の論文は、上述の未発表の著作の内容ともつながっている。犯罪の起因を自由の喪失、そこから発生する公共性意識の喪失と考えると、その喪失を超克する人間の認識論的可能性は、われわれの経済社会的「日常性」のなかに、どのような形で存在するのか。またはそこにおける「危機」とは何であろうか。現象学的な問いかけであるが、こうした問題意識を持ってこの論文を書いた。また著作のほうは、ここで練り上げた「自由」の認識論的な考察の「応用問題」として書かれた。なぜ現代社会において、事業再生さらには市場経済的な再生問題が改めて問題となるのか。ここに潜む根元的問題を、自由の認識論的な喪失とその再生問題として考察し展開した。 本研究は、萌芽的研究として、いかに独創的な理論体系を展開していくかという点を最重要問題として考えてきた。犯罪の問題を自由の喪失さらには公共性意識の喪失という認識論的視点から捉えると、こうした方法論的な議論は、実は犯罪の問題だけではなく、より広いマクロ経済学的視野の中での応用をも可能にしていくことが明らかになった。この方法論的な視点をさらに具体的な経済問題に即して展開していくことが、今後引き続いて行われるべき努力目標であると考える。
|