折り畳み法による表面・界面での分子スケール構造形成の理論
Project/Area Number |
13874038
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
固体物性Ⅰ(光物性・半導体・誘電体)
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
吉本 芳英 東京大学, 物性研究所, 助手 (80332584)
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Project Period (FY) |
2001 – 2002
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2002)
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Budget Amount *help |
¥1,600,000 (Direct Cost: ¥1,600,000)
Fiscal Year 2002: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2001: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | 表面 / 界面 / 高分子鎖 / モンテカルロシミュレーション / 構造形成 / 高分子類 |
Research Abstract |
前年度の課題であった,TVの走査線のように折り畳んだ状態を一意な基底状態として持つモデル鎖を数種類デザインすることに成功した。 このモデル鎖は高温ではランダムに広がった構造をとるが,温度を下げると比熱の鋭いピークを伴ってこの基底状態へと転移する。この時,望んでいるように相互作用している鎖の基本単位のペアの数は0から急峻に基底状態での値に転移し,この温度を通過すると折り畳まることがわかった。また,転移の温度は数種類デザインした鎖の長さには依存しなかった。 鎖の基本単位間に導入した主な相互作用は水素結合のように極性(向き)を持ち,さらにパリティを破っておく必要が基底状態を裏返しに対して一意にするために必要であった。この主な相互作用に加えて,極性のない相互作用や折り畳んだときに端になるべき部分は他の単位と接触しないようにする相互作用を加えたときの熱力学的な性質の変化を調べたところ,これら2種類の相互作用はいずれも転移温度を上昇させたが,無極性の相互作用が転移をなまらせるのに対して,端に付加した相互作用は転移をどちらかというとはっきりさせた。 また,完全にランダムに相互作用を導入した鎖や無極性相互作用のみを導入した鎖とデザインした鎖の熱力学的性質を比較した。 これらの結果は現在投稿準備中である。 さらに,デザインした鎖が動的に折り畳み可能かを調べるために適当な鎖の局所的構造遷移のセットとそれらの頻度を定義して緩和シミュレーションを行ったところ,デザインされた鎖はさきの比熱の鋭いピーク温度の少し下で高い確率で基底状態へと折り畳まれていくことがわかった。ランダムな鎖などとの違いについてさらに検討を行っていきたい。
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Report
(2 results)
Research Products
(2 results)