Budget Amount *help |
¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
Fiscal Year 2001: ¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
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Research Abstract |
本研究課題では,これまでに知られるどのホスフィン配位子よりも立体障害が小さく,電子供与性が強い「世界最小・最強ホスフィン配位子」としてケイ素含有カゴ型ホスフィンを設計し,その合成経路に関する検討を徹底的に行った.この配位子はケイ素原子とリン原子の間に効果的な軌道相互作用があり,これによりリン原子の電子供与性が著しく増大することが非経験的分子軌道計算(プロトン化による安定化の比較,HF/3-21G^<(*)>)による検討からすでに明らかになっている.その合成戦略として,ケイ素原子上での環形成により合成を完了する経路とリン原子上での環形成をもって達成する経路を検討した. 前者の経路はまず,トリビニルホスフィンに対するシランの連続ヒドロシリル化により一気にビシクロ骨格を構築することを計画して行った.しかしながら,分子間でのヒドロシリル化や自己重合を抑えられず合成経路としては不向きであることが判明した.また,トリス2-メタロエチルホスフィン-ボラン錯体を合成中間体としてケイ素原子上での環形成を種々試みたが,錯体の安定性等に問題があった. もう一方の経路であるリン原子上での環形成を伴う手法では,トリビニルホスフィンを出発原料とした.トリス(2-ブロモエチル)シランを合成し,これをリチウム-ハロゲン交換によりリチオ化した後に,塩化リンを加えたところ,ESI-マススペクトルにより目的のカゴ型ホスフィンの生成を示唆するピークが得られた.
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