EELSイメージングを用いたマンガン酸化物の電子構造の可視化
Project/Area Number |
13875005
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Applied materials science/Crystal engineering
|
Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
田中 信夫 名古屋大学, 理工科学総合研究センター, 教授 (40126876)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
渡辺 弘紀 デンソー, 基礎研究所, 研究員
室岡 義栄 名古屋大学, 工学研究科, 助手 (40273263)
|
Project Period (FY) |
2001 – 2002
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 2002)
|
Budget Amount *help |
¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
Fiscal Year 2002: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2001: ¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
|
Keywords | EELS / マンガン酸化物 / 先端軽元素材料 / 電子構造 / 軌道の異方性 / 電子顕微鏡 / 3d軌道 / 可視化 |
Research Abstract |
本研究では、EELSイメージング法を用いてマンガン酸化物の3d電子軌道を実験的に可視化することを目的とした。まず(i)EELSイメージングシステムを試作し、散乱角などの各種パラメータを最適化した。次に(ii)各種のマンガン酸化物に対して3d電子軌道を可視化した。さらに異方性の結晶構造、低温で強磁性相転移する酸化物の電子状態の異方性及び電荷列状態を電子軌道の変化の観点から研究した。その理由は、近年の電子顕微鏡の分光技術の発展により、試料を透過した電子を損失エネルギー別に分別して、かつ実空間の像として再生することが可能になり、そして、このような「EELSイメージング法」が登場したことにより、エネルギー分別しないと見えない3d電子軌道を直接観察できる夢のような可能性がでてきたからである。 平成14年度行った研究項目としては、「相転移をしめすマンガン酸化物の評価」と「電荷整列をしめすマンガン酸化物の評価」であった。 まず、低温で相転移をおこすマンガン酸化物をもちいて電子軌道の可視化を行った。平成13年度に研究したのと同様、上記の酸化物の温度変化に伴う結晶構造の相転移の様子を時間分解型高分解能TEMを用いて観察した。ここでは低温化システムをもちいた観察を行ったので、EELSイメージング観察系を更に温度変化にたいしても最適化して実験を行った。 次に、低温で電荷整列をおこすマンガン酸化物をもちいて電子軌道の可視化を行った。上記の酸化物と同様に高分解能TEMと時間分解型TEMをおこない電荷整列に伴う構造変化を精密に解析した。 最後に以上の研究の総括として、層状酸化物と電荷整列をしめすマンガン酸化物に対して3d電子軌道分布を総合的に評価し、マンガン酸化物以外の材料への応用も検討し、転移金属を内包した炭素化合物を次の研究対象にすることを決定した。
|
Report
(2 results)
Research Products
(3 results)