Budget Amount *help |
¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
Fiscal Year 2002: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2001: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
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Research Abstract |
亜酸化窒素とトリフロロメタンを超臨界流体として用いて,(1)C60フラーレンと電子供与体の飽和超臨界流体からの電荷移動錯体の結晶化について検討した。二酸化炭素を利用した場合と同様に,C60フラーレンは超臨界流体にほとんど溶解せず,C60フラーレンと電子供与体をそれぞれ超臨界流体に溶解させた後,温度・圧力を変化させて超臨界流体から電荷移動錯体を結晶化させる方法は適用出来なかった。 そこで,C60フラーレンが超臨界流体にほとんど溶解しない(超臨界流体がC60フラーレンに対して貧溶媒である)ことを利用して,(2)貧溶媒法による電荷移動錯体の結晶化について実験を行った。貧溶媒として二酸化炭素を用い,昨年度構築した結晶作製システムをHPLCポンプを組み込んだ貧溶媒結晶化システムに変更した。その結晶化システムの有用性について検討するために,C60フラーレンのみを溶解させたトルエン溶液を高圧容器内に導入し,そこに超臨界二酸化炭素を導入してC60フラーレンの結晶化を試みた。C60フラーレンの結晶を得ることが出来たが,この結晶には二酸化炭素が取り込まれていた。 ピレンとC60フラーレン溶解させたトルエン溶液に,超臨界二酸化炭素を導入して電荷移動錯体の結晶化を行った。その結果,板状の電荷移動錯体の結晶(最大1辺が2mm程度)を得ることが出来た。結晶の大きさの制御には,流体圧力よりも流体のトルエン溶液への導入速度が大きく影響することが分かった。また,C60フラーレンとジアンスレンのベンゼン溶液からの電荷移動錯体の結晶化についても行った。ある程度の結晶を得るには少なくとも一ヶ月程度を要する拡散法に比べて,数時間で電荷移動錯体の結晶化が可能であった。その結晶にはベンゼンと二酸化炭素が取り込まれており,有機溶媒や貧溶媒が取込まれない結晶化法の検討が必要である。
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