Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 2002: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 2001: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
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Research Abstract |
(1)モバイル環境におけるトランスポートプロトコルの性能改善 本サブテーマにおいては,IMT2000およびそれ以降の高速モバイルネットワークを対象として,データリンク層の情報をトランスポートプロトコルに伝える方式に関する研究を行った.IMT2000で用いられる通信方式の一つとしては,W-CDMAが3GPPにより規定されている.W-CDMAでは,伝送誤りが生じる無線リンクにおいて強力な誤り訂正技術を利用し,チャネル利用効率の向上をはかっている.また,このようにデータリンク層においてARQ処理が行われることによって,上位層であるトランスポート層へ到着するSDUの遅延時間の変動が大きくなり,また場合によっては到着順序の反転が生じることがある.そこでこのような状況が,インターネットで広く用いられているトランスポートプロトコルであるTCPに対して与える影響を調査した.さらに,データリンク層とトランスポート層が連携する事により,受信端末のデータリンク層から得られる無線リンク状態に関する情報を利用したTCPのフロー制御手法について研究を行った. (2)ワイヤレス環境における実時間通信のための品質制御 ワイヤレスリンクの広帯域化により,ワイヤレス環境において,従来からの電子メールやWWW閲覧などの非実時間通信だけではなく,音声や動画など実時間通信を実現することが求められている.しかし,ワイヤレス環境では頻繁に伝送誤りが生じるため,その回復制御にともなう遅延時間が大きくなり実時間通信の品質が大きく低下することが予想される.そこで,非実時間通信と実時間通信が混在するW-CDMA環境において,データリンク層とトランスポート層が連携しながら非実時間通信に対する悪影響を抑え,実時間通信の品質向上を実現するための機構について研究を行った.
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