酸素過剰層状酸化物バルク単結晶における酸素バブリング現象の解明とその応用
Project/Area Number |
13875170
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
無機工業化学
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Research Institution | University of Yamanashi |
Principal Investigator |
田中 功 山梨大学, 工学部, 教授 (40155114)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
綿打 敏司 山梨大学, 工学部, 助教授 (30293442)
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Project Period (FY) |
2001 – 2002
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2002)
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Budget Amount *help |
¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
Fiscal Year 2002: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 2001: ¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
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Keywords | 酸素過剰酸化物 / 層状酸化物 / 単結晶 / 化学酸化 / 結晶成長 |
Research Abstract |
本研究では、酸素過剰層状酸化物La_2CuO_<4+δ>単結晶の酸素バブリング現象のメカニズムを解明しLa_2CuO_<4+δ>単結晶の高性能酸素イオン固体電解質や酸素ガスフィルターへの応用の可能性を探るため、La_2CuO_<4+δ>層状構造に基づく過剰酸素イオンの挙動を詳細に調べた。 本研究で使用したLa_2CuO_4単結晶は四楕円型赤外線集光加熱単結晶製造装置を用いてTSFZ法により育成した。得られた単結晶は、直径5mm,長さ40mm程度の大きさであり、金属光沢のあるクラックフリーの単結晶であることを確認した。そして、La_2CuO_4育成結晶に過剰酸素を導入するためにテフロン製高圧容器を用いてKMnO_4水溶液中で化学酸化を行い、SQUID磁化率測定装置を用いた直流磁化率の測定を行った。その結果、2段階の超伝導転移が観測され、そのT_cは15Kと25Kであった。しかも、酸化処理時間が増加するに従って補足される磁束が減少することと15K相が徐々に25K相に変化していく様子が観測された。別に処理した結晶片では、最適な磁束補足状態になるために過剰酸素イオンが処理後数日経過する間に再配列する傾向が観測された。これは、より低い自由エネルギー状態になるために室温でドーパントが移動したことによると考えられる。既報のデータをもとに本研究で得られたT_c値から過剰酸素量を見積もったところ、過剰酸素量がδ=0.04もしくはδ=0.03と0.04の混在、まさにミサビリティギャップ内にあることがわかった。この結果からLa_2CuO_<4+δ>単結晶の低ドープ域において室温程度の低温でもミサビリティギャップ内の過剰酸素イオンがより複雑な振る舞いを示すことが明らかになった。
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Report
(2 results)
Research Products
(3 results)