Project/Area Number |
13876016
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Plant nutrition/Soil science
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
間藤 徹 京都大学, 農学研究科, 助教授 (50157393)
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Project Period (FY) |
2001
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2001)
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Budget Amount *help |
¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
Fiscal Year 2001: ¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
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Keywords | イネ / 塩害 / 塩集積土壌 / ナトリウム吸収 / ポリエチレングリコール(PEG) / ペクチン |
Research Abstract |
申請者は土壌肥料科学的発想から塩集積土壌に土壌改良剤を施用することで塩害を軽減できないかと考え種々の化合物で検討を続けてきた。そのなかでポリエチレングリコール(PEG)がナトリウムの吸収を低下させてイネの塩害を実質的に軽減することを見いだした。ポリエチレングリコールはエチレングリコールがエーテル結合によって重合した化合物で,化粧品,アイスクリームなどの増粘剤として用いられ生物的に安全な化合物である。PEG類縁化合物のナトリウム吸収抑制効果を検討したところ,分子量500000〜2000000のPEGがイネのナトリウム吸収の抑制に効果的であることを見いだした。またポリエチレングリコール-ポリプロピレングリコールの共重合体の効果はPEGを上回るものではなかった。さらにPEGの作用機作について検討した。培養液に与えられたPEGは細胞壁ペクチン質多糖と相互作用し,ペクチンのゲル化を促進した。 塩害を起こす濃度はNaClはペクチンのゲル化に必須のカルシウムに置換するため,塩害下で細胞壁ペクチンゲルの架橋はよりルースになると思われる。PEGは疎水結合によってペクチンゲルを架橋することでペクチンの沈殿物形成を促進した。この機能はポリビニルアルコールなどの水溶液高分子化合物には見られなかった。PEGはペクチンと疎水結合することによってイネのナトリウム吸収を抑制すると結論した。
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