血液-脳バリヤーとしての酸性スフィンゴ糖脂質の機能の解析
Project/Area Number |
13877022
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Pathological medical chemistry
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
古川 鋼一 名古屋大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (80211530)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
古川 圭子 名古屋大学, 大学院・医学系研究科, 講師 (50260732)
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Project Period (FY) |
2001 – 2002
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2002)
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Budget Amount *help |
¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
Fiscal Year 2002: ¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
Fiscal Year 2001: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
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Keywords | バリヤー / 脳血液関門 / 変性 / グリア / ノックアウト / サイトカイン / ガングリオシド / ブラッドブレインバリヤー / ニューロン / 初代培養 / ターゲッティング / 末梢神経 |
Research Abstract |
ガングリオシドの神経系における重要な機能の一つとして、血液脳関門及び脳、髄液関門の維持における役割とそのメカニズムを検討した。複合型ガングリオシドを欠損するGM2/GD2ノックアウトマウスにおいては、生後4週において注入ホースラディシュペルオキシダーゼ(HRP)の血管外漏出を認めたが、生後12週以降のマウスにおいては、それ程明瞭な漏出が検出できなかった。脊髄の電顕的観察においては、加齢と共に変性が顕著になり、神経線維の変性やニューロン死と共に、グリア細胞の増生とグリア突起の肥大・伸長が特徴的であった。グリアの突起は野生型に比べて厚く血管周囲を囲み何層にも成っている像が多く見られた。これらの所見は幼若マウスで血液脳関門機能が既に破壊され、HPRが漏出する状態であったのに対し、成長と共にその補正機構としてグリアの増殖と細胞肥大化が惹起され、血管周囲に突起が取り巻くことによりバリアー機能を維持しているものと考えられた。また、GM2/GD2合成酵素およびGD3合成酵素のダブルノックアウトマウスの場合は、脳室脈絡叢の上皮増生が見られたが、突然死を示したマウスでは認められず、これが突然死の死因になっているとは考えられなかつた。野生型マウスと複合型ガングリオシド欠損ノックアウトマウスの脊髄よりRNAを抽出し、遺伝子発現のプロフィールを比較したところ、グリア由来のサイトカイン関連遺伝子の発現がノックアウトマウスで上昇している傾向があり、グリアの増生・肥大化と一致する所見と考えられた。今後、ガングリオシド欠損がグリアの増生を惹起するメカニズムとその意義の検討を進めたい。
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Report
(2 results)
Research Products
(11 results)