Project/Area Number |
13877043
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Bacteriology (including Mycology)
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
前田 浩 熊本大学, 医学部, 教授 (90004613)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
赤池 孝章 熊本大学, 医学部, 助教授 (20231798)
宮本 洋一 熊本大学, 医学部, 助手 (20295132)
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Project Period (FY) |
2001 – 2002
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2002)
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Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 2002: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2001: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,300,000)
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Keywords | ヘリコバクターピロリ遺伝子 / 一酸化窒素 / 薬剤耐性 / 8-ニトログアノシン / パーオキシナイトライト / 活性酸化窒素 / 塩基損傷 / 遺伝子変異 / NO / 感染防御 / ネズミチフス菌 / アポトーシス / 抗アポトーシス作用 / 細胞保護作用 / iNOS欠損マウス |
Research Abstract |
近年、消化管、肝・胆道系などの固型がんの半数以上の例で、慢性感染・炎症が、がん発症の主要な要因になることが指摘されている。多くのがんにおいて、誘導型酸化窒素(NO)合成酵素(iNOS)の発現が上昇しており、活性酵素、NOやプロスタノイドなどの炎症性分子が、細胞の分化・増殖の異常や遺伝子損傷をもたらし、がん発生のメカニズムにおいて重要な役割を演じることが示唆されている。一方我々はこれまで、各種ウイルス・細菌感染モデルを用いて、NOが生体の感染防御反応における主要な炎症性メディエーターとして機能していることを報告してきた。NOは、パーオキシナイトライトなどの活性醇化窒素種の生成を介して病原体遺伝子を損傷し、生体内で強力な変異原性を発揮することが予測されている。そこで今回、感染・炎症に伴って生ずるNO・フリーラジカルによる新たな損傷塩基の検索した。そもそもパーオキシナイトライトは、核酸塩基のうち特にグアノシンの8位を効率良くニトロ化し、8-ニトログアノシンを生成することが知られていたが、これまで、この損傷塩基が生体内で生じることを証明した報告はなかった。具体的には、まず8-ニトログアノシンの大量有機合成法を確立し、これを抗原エピトープとして特異的抗8-ニトログアノシン抗体を作製した。さらに、この抗体を用いて、各種感染・炎症モデルにおける8-ニトログアノシン生成を、免疫組織化学的に解析したところ、8-ニトログアノシンが、生体内のNO生成に依存して生成することが証明された。さらに、8-ニトログアノシンが、電子吸引基であるニトロ基を有するニトロアレンという構造を有していることに着目し解析を進めたところ、本化合物が強力なレッドクス活性を示し、生体内の還元システムにより活性化され大量の活性酸素(スーパーオキサイド)産生することが分かってきた。すなわち、8-ニトログアノシンは、NOに由来する単なる損傷塩基ではなく、高い化学的反応性をもつ生理活性分子であるといえる。実際、予備的検討ではあるが、パーオキシナイトライトがヘリコバクターピロリ遺伝子の変異を促進し、クラリスロマイシンに対する耐性頻度を高めることを確認している。
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