プリオン感染培養細胞系によるプリオン複製の分子機構解明
Project/Area Number |
13877046
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Virology
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
片峰 茂 長崎大学, 大学院・医学研究科, 教授 (40161062)
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Project Period (FY) |
2001
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2001)
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Budget Amount *help |
¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
Fiscal Year 2001: ¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
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Keywords | プリオン / プリオン蛋白 / プリオン株 / 培養神経細胞 |
Research Abstract |
これまでプリオン複製の実験モデルが動物個体以外に存在せず、感染実体の生化学的解析が困難であった。プリオン感染培養細胞モデルもこれまで感染複製効率の低さが致命的な欠陥であったが、最近我々は培養神経細胞に遺伝子導入によりPrPを過発現することにより高効率でプリオン感染とその複製が起こることを示した。このプリオン感染培養細胞系は感染因子の生化学的解析を可能ならしめる初の試験管内プリオン複製モデルといえる。今回は、マウスモデルを用いてその存在が明らかにされてきたプリオン株の特性を本培養細胞モデルで検討することにより、プリオン複製モデルとしての妥当性をさらに確立することを目的とした。 マウス脳で継代された生物学的個性(発症までの潜伏期、症状、病理変化)の異なる3プリオン株(Fukuoka-1,22L, Chandler)を2種の培養細胞株(1C11,GT1-7)に感染・増殖させ、培養細胞中でも株の個性が維持されるか否かを、ddyマウス脳に感染細胞抽出液を接種することにより検討した。その結果、潜伏期、症状、病理変化の全ての指標で株の個性は培養細胞中でも維持され、株の個性は宿主因子ではなく病原体に規定されることが明らかとなった。一方、電気泳動上の移動度や糖鎖付加パターンを指標とした蓄積PrPScの立体構造は宿主因子に大きく影響されることが示唆された。われわれの培養細胞感染モデルは株の特性を維持することから、モデルとしての有用性がさらに明確となった。
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Report
(1 results)
Research Products
(2 results)