年齢依存性生体分子に着目した分子生物学的アプローチによる年齢推定
Project/Area Number |
13877069
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Legal medicine
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Research Institution | 福井医科大学 |
Principal Investigator |
安田 年博 福井医科大学, 医学部, 教授 (80175645)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
植木 美鈴 福井医科大学, 医学部, 教務職員 (00165656)
飯田 礼子 福井医科大学, 医学部, 助手 (40139788)
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Project Period (FY) |
2001
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2001)
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Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 2001: ¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
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Keywords | 年齢依存性 / 年齢推定 / deoxyribonuclease I / 思春期 / 遺伝子発現 / 成長 / 内分泌 / 鑑識科学 |
Research Abstract |
本研究では、成長の各ステージに特異的な年齢依存性生体分子の検出を利用した年齢推定法の確立を目的として研究を実施した。 1.新規な年齢依存性生体分子を見出すため、今回ヒト臓器および体液に存在する核酸分解酵素DNase Iに着目しその年齢依存性を精査した。その結果、ヒト脳下垂体には主要産生臓器である膵臓に匹敵する高レベルのDNase Iが存在しており、その活性は年齢依存的に大きく変動することが明らかとなった。0才から15, 6才までの幼・若年者由来の下垂体にはその活性はほとんど検出されず、他方およそ17才以上になると急激な活性の増加が認められ、女性では50才前後で活性は顕著に低下し、男性では年齢とともにその活性は減少した。さらに、RT-PCR解析から下垂体におけるDNase I活性の変動はDNase I遺伝子の発現調整によって制御されることが明らかとなった。その遺伝子は幼・若年者由来の下垂体ではほとんど発現せず、思春期の発来とともに発現し、女性では閉経期に対応してその発現レベルが低下した。他方、同一のDNase I遺伝子の発現によって産生される膵臓DNase Iには下垂体のそれとは対照的に年齢依存性を示さず、下垂体におけるDNase I発現の年齢依存性には臓器特異性が認められた。従って、下垂体DNase Iは内分泌との関連が示唆される年齢依存性を示す新規な生体分子であることが明らかとなった。今後、その遺伝子の年齢依存的発現の機構を解明する予定である。 2.従前の研究で見出したマウス腎臓に分布する年齢依存性生体分子M-LPについて、今回その分子生物学的性状を解明した。M-LP遺伝子はマウス染色体16B1-B2領域に座位し、およそ5 kbに及ぶ3個のexonから構成されていた。M-LP完全長cDNAを構築したところ、194アミノ酸残基をコードするopen reading frameが含まれていた。今後、M-LPに相当するヒトホモローグを検索し、ヒトにおける新規な年齢依存性生体分子を見出す予定である。
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Report
(1 results)
Research Products
(14 results)