Budget Amount *help |
¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
Fiscal Year 2002: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2001: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
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Research Abstract |
Fractalkineは活性化血管内皮細胞上に発現する膜型ケモカインである.我々はfractalkine receptor (CX3CR1)を世界に先駆けて同定し,CD14+単球,CD16+NK細胞,CD8+T細胞上に発現していること,およびfractalkineが従来のケモカインと異なり接着分子として作用することを報告した(Imai, Cell91:521-530,1997).咋年度に引き続き,LPS投与によるマウス血管炎モデルあるいはMRL/lprマウスにおける抗fractalkine抗体による血管炎予防効果の検討を行った.単球やNK細胞と血管内皮細胞との接着や内皮傷害の基礎的検討により,1)可溶型fractalkineは単球のfibonectinやICAM-1に対する接着をも増強した.2)fractalkine遺伝子導入したECV細胞株を用いた検討より,細胞膜上に発現したfractalkineが有意に単球やNK細胞の接着を増強した.3)fractalkineは濃度依存性にNK細胞の抗腫瘍細胞殺傷能を増強し,fractalkine発現ECV細胞やヒト胎児血管内皮細胞を著明に傷害した.4.マウス腹腔内にLPSを500μg投与すると,ほぼ前例がエンドトキシンショックと全身臓器の血管炎を発症し死亡するが,抗fractalkine抗体を24時間前およびLPSと同時に腹腔内投与すると,70%のマウスが生存した.これらの結果は,炎症に伴い産生されたサイトカインにより活性化した血管内皮細胞がfractalkineを発現し,単球やNK細胞の接着を誘導し血管炎を誘導していることを示している.抗fractalkine抗体は,この作用を抑制し,血管炎発症を阻止しうる可能性を強く示唆している.
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