合成2本鎖DNAによる放射線増感剤・遺伝子治療法の開発
Project/Area Number |
13877136
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Radiation science
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
細井 義夫 東京大学, 大学院・医学系研究科, 助教授 (50238747)
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Project Period (FY) |
2001 – 2002
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2002)
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Budget Amount *help |
¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
Fiscal Year 2002: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2001: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
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Keywords | 放射線 / DNA修復 / 癌 |
Research Abstract |
放射線は様々なDNA損傷を作るが、細胞の生死を決定するのはDNA2本鎖切断とその修復である。1Gyにより生じるDNA2本鎖切断の数は細胞1個当たり約40個程度と考えられている。DNA2本鎖切断の修復を阻害すれば、細胞の放射線感受性が高められることをすでに報告した(Hosoi et al., Int.J.Cancer 1998)。細胞はわずか40個のDNA2本鎖切断を完全に修復できないということから、細胞外より2本鎖DNAが細胞内に入れば、それに修復酵素が消費され、DNA2本鎖切断の修復の効率は低下するものと予想される。我々はヒトの細胞では、放射線によって生ずる2本鎖切断の修復は主にDNA依存性プロテインキナーゼ(DNA-PK)によって行われることを明らかにした(Yoshida, Hosoi et al., Int.J.Radiat.Biol.2002)。さらに、DNA-PKに1本鎖DNAが結合し、DNA-PK活性を抑制することを見出した(Hosoi et al., Brit.J.Cancer 2002)。合成2本鎖DNAによるDNA-PK活性抑制・放射線増感の予備的実験として、1本鎖DNA類似物質を細胞上清に加えることにより、DNA-PK活性が抑制されるかどうかと、放射線増感が得られるかどうかを検討した。その結果、1本鎖DNA類似物質によりDNA-PK活性が抑制されること、放射線により生じるDNA2本鎖切断の修復が遅延すること、放射線感受性が高められることが明らかになった。これらのことから、合成2本鎖DNAが細胞内に取り込まれれば放射線感受性が高められることの可能性が示唆された。22bpの合成2本鎖DNAを合成し、リポフェクションにより細胞内に取り込まれるかどうかを検討した。その結果、細胞内に合成2本鎖DNAが取り込まれていることが明らかになった。現在は放射線とbleomycinに対する細胞の感受性に及ぼす影響を検討中である。
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Report
(2 results)
Research Products
(8 results)