赤血球産生における微小環境の検討―膜通過性Eph受容体の機能解析―
Project/Area Number |
13877161
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Hematology
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
須田 年生 熊本大学, 発生医学研究センター, 教授 (60118453)
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Project Period (FY) |
2001
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2001)
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Budget Amount *help |
¥2,400,000 (Direct Cost: ¥2,400,000)
Fiscal Year 2001: ¥2,400,000 (Direct Cost: ¥2,400,000)
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Keywords | 造血前駆細胞 / degenerative PCR / EbhB4 / ephrinB2 / 赤血球系 / 静脈系血管内皮細胞 / 動脈系血管内皮細胞 / 細胞接着・解離 |
Research Abstract |
申請者は、造血前駆細胞からdegenerative PCR法により、HTK(後にEphB4と改名)受容伝型チロシンキナーゼをクローニングし、抗体を作成し、その発現を検討した。その結果、EphB4は赤血球系にのみ発現し、しかも赤血球系前駆細胞(BFU-eからCFU-e)の分化段階にのみ特異的に発現することを見いだした(赤芽球や赤血球には発現しない)。一方、膜通過型結合因子の一つであるHTK Ligand(ephrinB2)は、ストローマ細胞に発現していることを明らかにした。この発見をもとに、本萌芽的研究では、「ephrinB2・EphB4が、赤血球産生の微小環境分子である」という仮説を検証し、以下の成果を収めた。 1)エリスロポイエチン存在下に、ephrin B2を発現させたストローマ細胞上では、造血前駆細胞からの赤血球産生のみが亢進するという結果を得た。これは、EphB4陽性赤血球前駆細胞がephrinB2陽性ストロマ細胞の上で反発作用を受けて接着できず、分化が促進されるためと考えている、 2)EphB4受容体・ephrinB2リガンドはそれぞれ静脈系血管内皮細胞・動脈系血管内皮細胞に特異的に発現していることを確認し、赤血球産生と動脈内皮の連関が示唆された。 3)エリスロポイエチン受容体とephrinB2・EphB4のシグナルの間のクロストークは明らかにできなかったが、ephrinB2・EphB4のシグナルが、細胞接着・解離の現象を引き起こすことは明らかになった。 4)ephrinB2・EphB4が赤血球産生に関わることを生体内で明らかにするため、それぞれの遺伝子破壊マウスを用いて解析を進めたが、胎生期出血死するため赤血球産生への作用を解明するに至っていない。今後、ephrinB2・EphB4を赤血球特異的に発現する個体改変マウスにおいて解析を進める予定である。
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Report
(1 results)
Research Products
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