脳死後の肺障害発生機序の解明と肺機能温存法開発に関する研究
Project/Area Number |
13877184
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
General surgery
|
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
小倉 裕司 (2002-2003) 大阪大学, 医学系研究科, 助手 (70301265)
西野 正人 (2001) 大阪大学, 医学系研究科, 助手 (60263290)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
嶋津 岳士 大阪大学, 医学系研究科, 助教授 (50196474)
田中 裕 大阪大学, 医学系研究科, 助教授 (90252676)
杉本 壽 大阪大学, 医学系研究科, 教授 (90127241)
塩崎 忠彦 大阪大学, 医学系研究科, 助手 (60278687)
鍬方 安行 大阪大学, 医学系研究科, 助手 (50273678)
小倉 裕司 大阪大学, 医学系研究科, 助手 (70301265)
|
Project Period (FY) |
2001 – 2003
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 2003)
|
Budget Amount *help |
¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
Fiscal Year 2003: ¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
Fiscal Year 2002: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2001: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
|
Keywords | 脳死 / 急性肺障害 / ステロイド / 転写因子 / マイクロパーティクル / 炎症性サイトカイン / 血液レオロジー / 白血球変形態 |
Research Abstract |
前年度研究結果をもとに、急性脳粗大病変(重症頭部外傷、脳血管障害など)による脳死症例でみられる急性肺傷害のメカニズムを解明するため、脳死前後の多核白血球機能の解析をさらに進めた。脳死を含む全身性炎症反応疾患において、多核白血球の活性化が引き起こされ、その主要なメカニズムとして多核白血球の核内転写因子であるNF-kB発現の亢進がみとめられた(J Trauma 54;253-260, 2003)。また、活性化された多核白血球により血管内皮細胞傷害が進行するメカニズムとして、多核白血球由来のmicroparticleに着目して測定した結果、脳死を含む全身性炎症反応疾患において接着因子を豊富に発現したmicroparticle産生が有意に亢進することを確認した(Microcirculation annual 19;77-78, 2003)。さらに、脳死を含む全身性炎症反応疾患において、活性化された血管内皮から産生される血管内皮内来のmicroparticleが血液中に著明に増加し、多核白血球との接着もみられることが明らかになった(J Trauma in press)。ステロイドが多核白血球のNF-kBとglucocorticoid receptorの発現バランスにどのように影響するか確認し、現在までにステロイドの投与が多核白血球核内のglucocorticoid receptorの発現を増強して、多核白血球の機能(活性酸素産生能、貧食能など)を有意に抑制する結果を得ている。一方、我々が目指している脳死患者に対するステロイド投与の有効性を確認するために、4施設の救命救急センターにおいてステロイド投与を行った重症ARDS患者54例の臨床経過を集計し、ステロイドパルス療法が肺酸素化能を有意に改善する可能性を証明しえた(第63回米国外傷外科学会発表予定)。現在、脳死患者においても同様にステロイド投与が急性肺傷害による肺酸素化能を改善するか否かひきつづき検討中である。
|
Report
(3 results)
Research Products
(4 results)