Budget Amount *help |
¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
Fiscal Year 2002: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2001: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,300,000)
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Research Abstract |
adrenomedullinは副腎褐色細胞腫から発見された生理活性物質であり,血管拡張作用のみならず多彩な生物活性を有する.絨毛細胞(cytotrophoblast),黄体顆粒膜細胞ならびに分泌期子宮内膜細胞において,adrenomedullinの存在をmRNAレベルならびに蛋白レベルで確認した.H13年度において絨毛細胞のモデルとなる絨毛癌(JAr)細胞株を用いて,adrenomedullinのJAr細胞における生物学的意義について研究を行い,JAr細胞はadrenomedullinを合成・分泌することをmRNAレベルならびに蛋白レベルで確認した.さらに[^<125>I]で標識したadrenomedullinとJAr細胞との結合能を検討したところ,JAr細胞はadrenomedullinの特異的な受容体を有することが確認した.絨毛cytotrophoblastのモデルとなるJAr細胞でadrenomedullinの特異的受容体の存在が確認されたことより,adrenomedullinがautocrine/paracrine機構を介して絨毛細胞の増殖・分化に関与する可能性が示唆される(The Journal of Clonical Endocrinology & Metabolism 86(8):3958-3961,2001).また,子宮頚部扁平上皮癌(CaSki)細胞においてmRNAレベルでadrenomedullinの存在を確認し,さらに子宮頚部組織におけるadrenomedullinの発現を正常,CIN1,CIN2,CIN3,浸潤癌(扁平上皮癌)で免疫組織学的に検討するとadrenomedullinは正常ならびにCIN病変では発現を認めなかったが,浸潤癌病変で扁平上皮癌ならびに浸潤部位の間質細胞にadrenomedullinの強い局在を認めたことより,adrenomedullinが扁平上皮癌の増殖・浸潤に重要な関わりを持っていることが示唆された(International Journal of Clinical Oncology 6:263-270,2001).次にH14年度では以上の結果を踏まえ,子宮筋細胞,子宮筋腫細胞,顆粒膜黄体細胞に上記のことを確認するため,各々のin vitro培養系を確立し,それぞれの細胞におけるadrenomedullin受容体(結合能)の確認,各細胞の増殖・分化・アポトーシスに及ぼす生物作用について,さらにはadrenomedullin分泌を調節している因子について検討を加えている.
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