脳血管攣縮における一酸化炭素(CO)/cGMPシグナリングの治療的役割
Project/Area Number |
13877395
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
応用薬理学・医療系薬学
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Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
田中 利男 三重大学, 医学部, 教授 (00135443)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
角田 宏 三重大学, 医学部, 助手 (20314114)
西村 有平 三重大学, 医学部, 助手 (30303720)
中 充子 三重大学, 医学部, 助手 (10093139)
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Project Period (FY) |
2001
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2001)
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Budget Amount *help |
¥1,600,000 (Direct Cost: ¥1,600,000)
Fiscal Year 2001: ¥1,600,000 (Direct Cost: ¥1,600,000)
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Keywords | 脳血管攣縮 / Heme Oxygenase-1 / CO / cGMP / hemin / ラット |
Research Abstract |
クモ膜下出血(SAH)後の遅発性脳血管攣縮は患者の予後を左右する病態である。我々は、Heme Oxygenase-1(HO-1)が、脳血管攣縮に対する内因性の抗攣縮分子であることを見出した。そこで、HO-1を介するシグナリング伝達機構の研究は、脳血管攣縮における新たな治療法の開発につながると考えた。我々はラット脳血管攣縮モデルにおける自家血注入量を変え、経時的に脳血管造影を行った。注入量により早期攣縮の程度に変化はなかったが、臨床的に問題となる遅発性攣縮では、自家血注入量依存性に攣縮が悪化した。これは、血腫成分が遅発性攣縮の原因であるためと考えられる。次にHO-1は生体における唯一のCO産生機構であり、グアニル酸シクラーゼ活性化を介しcGMP上昇させると考えられるため、脳血管攣縮におけるCO/cGMPシグナル解析を行った。COはNOに比べ長期存在し、作用を発揮すると考えられるが、NOは、脳血管攣縮という特殊な病態では血腫成分が存在するため強力に吸着されその効果を発揮できないと考えられる。そこで、COによるcGMP上昇が、抗脳血管攣縮効果に関与する可能性がある。そこで、heminの腹腔内投与によりHO-1を脳血管に誘導し、HO-1誘導後の脳血管にクモ膜下出血を起こさせ、cGMPレベルをEIA法にて定量した。生食投与の対照の群に比べ、hemin投与群では、脳動脈にHO-1が誘導され、hemin前投与によりSAH後の遅発性攣縮の改善が認められた。同時にhemin前投与では、生食投与群に比べ、クモ膜下出血後にcGMPの上昇を認めた。この上昇は、Antisense HO-1 oligo大槽内投与により抑制されるとともに、hemin投与により改善した攣縮は再び増悪した。さらに、遅発性攣縮の遅延が認められた。このことから、HO-1の抗血管攣縮効果にCO/cGMPの関与が示唆された。
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Report
(1 results)
Research Products
(4 results)