プロテイントラフィック異常による遺伝性疾患は治療可能か?
Project/Area Number |
13877398
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
応用薬理学・医療系薬学
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
甲斐 広文 熊本大学, 薬学研究科, 教授 (30194658)
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Project Period (FY) |
2001
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2001)
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Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 2001: ¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
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Keywords | 嚢胞性線維症 / カルネキシン / 小胞体 |
Research Abstract |
嚢胞性線維症(cystic fibrosis : CF)は,白色人種の間で最も頻度の高い致死性の遺伝性疾患である.CF患者で最も多い変異体ΔF508 CFTRはC1-チャネルとしての機能は有するが,フォールディング異常により小胞体にトラップされ,細胞表面に発現できない.従って,この変異タンパクを細胞表面へ発現させることによりCFが治療可能である.この変異体の小胞体保持にはカルネキシン(CNX)が関与することが示唆されている.そこで,我々はCNXのホモログの検索を行った結果,EMEP(ER-Membrane Escort Protein)を見いだした.まずEMEPの細胞内局在を検討したところ,EMEPは小胞体に局在し,その一部は細胞外に分泌されることがわかった.次にEMEPがCFTRと相互作用するか検討したところ,EMEPはCNXと同様にCFTRと相互作用することがわかった.さらに,EMEPがΔF508 CFTRの小胞体保持を解除するか検討したところ,EMEP導入細胞においてΔF508 CFTRは小胞体から形質膜上へ輸送され,C1-チャネルとして機能することがわかった.以上,EMEPがΔF508 CFTRのエスコート蛋白として機能する可能性が示され,CFの遺伝子治療の新規分子として期待できることがわかった。また、この研究の過程において、我々はCFTRまたはΔF508 CFTRを恒常的に発現する細胞(BHK-CFTR,ΔF508 cells)にカルネキシンを過剰発現させると,ΔF508 CFTR特異的に封入体を形成することを見いだした.種々の検討から,カルネキシン過剰発現はΔF508 CFTRの成熟化のためのER export(順行輸送)を阻害するだけではなく,分解のためのER export(逆行輸送)も阻害することが示唆された.
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Report
(1 results)
Research Products
(2 results)