Budget Amount *help |
¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
Fiscal Year 2002: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2001: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
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Research Abstract |
本研究は,ボーリングステッキやハンドオーガーに代わる簡便な地層採取抜き取り装置(小型Geoslicer)を開発し,沖積層の微細構造解明のための試験的な調査研究を行うものである.本年度も,軟弱な沖積低地で試料を効率よく採取することができる装置として,長さ1〜3m,幅10cm,厚さ1.5cmのステンレス製の運搬に適した安全かつ軽量の地層抜き取り装置を作成し,試作品に関心を持つ研究者に配布し,それぞれの調査地域において装置の有効性をチェックして貰った.その結果,本装置が研究者の調査目的に十分合致する微細構造を持つ不攪乱沖積層試料を得ることが可能であることが確認された. 前年度実施した研究によって問題点が指摘された装置の引き抜きに伴う困難さについては,軽量な専用三脚を作成して対応した.接続型の装置は接続部が脆弱であり強度を上げる必要があったが,これによって装置が複雑化し重量が増加するため,長尺化(3m)によって対応することした.また,火山灰や粘土などの細粒な地層の採取には装置の強度不足のために困難が伴うことが指摘されたが,このような乾燥した地表における土壌採取のために,強い打ち込み衝撃力に耐える装置を開発し,問題点を解決した.さらに,長尺化(3m)した装置を北海道十勝海岸における津波堆積物の調査で試用したが,砂〜シルト層を挟む津波堆積物が泥炭層中に挟在する堆積構造を観察することができた.この際,振動モーターを利用した打ち込み補助装置が有効であることが確認された. このように,多くの研究者の協力を得て,沖積層研究のための新たな試料採取装置を短期間に開発することができた.
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