増殖因子受容体の細胞接着部位特異的な局在化の分子機構
Project/Area Number |
13878125
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Functional biochemistry
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
的崎 尚 群馬大学, 生体調節研究所, 教授 (80252782)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
久保原 禅 群馬大学, 生体調節研究所, 助教授 (00221937)
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Project Period (FY) |
2001
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2001)
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Budget Amount *help |
¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
Fiscal Year 2001: ¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
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Keywords | 増殖因子受容体 / HGF / 細胞間接着 / 局在化 / カドヘリン / チロシンリン酸化 / Src / Gab-1 |
Research Abstract |
増殖因子やホルモンがその受容体に結合して下流へ効率よくシグナルを伝達するためには、これらの受容体がクラスタリングする必要がある。私共は、すでに、肝細胞増殖因子(HGF)受容体や上皮細胞増殖因子(EGF)受容体が上皮細胞などの極性をもつ細胞において細胞間接着部位に局在化することを明らかにしているが、この局在化の分子機構は未だ十分明らかでない。そこで、本研究では、この増殖因子受容体の細胞接着部位への局在化の分子機構をはじめて明らかにしようと試みた。その結果、私共は、HGF受容体チロシンキナーゼの基質蛋白質であるGab-1が、接着分子カドヘリンを介した細胞間接着によってチロシンリン酸化を受けることを見い出した。Gab-1は、HGF受容体に直接結合しチロシンリン酸化を受け、これに会合するシグナル分子を介して下流にHGFのシグナルを伝えるいわゆるドッキング蛋白質である。しかし、カドヘリンを介した細胞間接着によるGab-1のチロシンリン酸化には、細胞質型のチロシンキナーゼSrcが重要であることを明らかにした。Gab-1は、Pleckstrin-homology(PH)ドメインを持ちこのドメインを介して細胞膜リン脂質に結合し細胞膜近傍に局在化すると考えられている。すなわち、本研究結果からHGF受容体はGab-1と複合体を形成し、さらに何らかの未知の分子機構によりカドヘリン系と連関することが予想される。この未知の機構こそが、HGF受容体の細胞間接着部位への局在化に寄与する可能性が高いと考えている。Gab-1はHGF受容体のみならず、EGF、FGF、IGF-I、インスリンなどの増殖因子の受容体チロシンキナーゼの基質でもあることが知られており、Gab-1がこれらの増殖因子受容体の細胞接着部位への局在化に普遍的に関与している可能性が想定される。また今後、Gab-1とカドヘリン系との連関に関与する分子機構を詳細に検討する予定である。
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Report
(1 results)
Research Products
(6 results)