ルネサンスにおける美術史叙述-ヴァザーリ著『芸術家列伝』に見る芸術家像形成
Project/Area Number |
13J00416
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Aesthetics/Art history
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
古川 萌 京都大学, 人間・環境学研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2015)
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Budget Amount *help |
¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
Fiscal Year 2015: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2014: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2013: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
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Keywords | 西洋美術史 / イタリア / ルネサンス / ジョルジョ・ヴァザーリ / ヴァザーリの回廊 / 芸術家列伝 / ヴァザーリ / ミケランジェロ / メディチ家 / 美術史 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、イタリアの画家・建築家ジョルジョ・ヴァザーリによって著された『芸術家列伝』(以下『列伝』と称する)において、ヴァザーリがどのように芸術家像を形成しているかを究明することを目的としている。本年度は「ヴァザーリの回廊」についての調査や、ヴァザーリのコレクションに関する考察をおこなった。以下にその詳細を記す。 「ヴァザーリの回廊」は庁舎であるパラッツォ・ヴェッキオと余暇の場であるパラッツォ・ピッティとをアルノ川を越えてつなぐ空中回廊で、ヴァザーリの庇護者であったコジモ一世・デ・メディチをはじめメディチ家の権力者たちやその来客たちのみが通ることのできた通路である。報告者は前年度末にフィレンツェにて現地調査をおこない、回廊の窓を通して見える風景が君主の特権的で監視的なまなざしをあらわしていると見て、回廊全体がメディチ家の専制権力の象徴であると考えた。『列伝』にあらわれる記述からアルノ川がフィレンツェ市民をあらわすことを指摘し、その上空をやすやすと通る回廊は、中を通る者からはもちろん、外から眺めるものにとっても、フィレンツェを支配する君主のイメージを刻みつけただろう。 つぎに報告者はヴァザーリの過去の芸術家に対する態度を探るため、ヴァザーリ自身の蒐集活動に着目した。『列伝』内の記述やヴァザーリの財産目録を参照したところ、ヴァザーリが多くの模写作品を有していることが明らかとなり、それらの作品の選択は必ずしも『列伝』に見られる評価と一致しないことも確認された。また、ヴァザーリはフィレンツェとアレッツォにそれぞれ家を所有していたが、フィレンツェの家には模写作品のみが保管されていたのに対し、アレッツォにはオリジナルの絵画が保管されていた。こうした蒐集するべき画家の選択や、オリジナルと模写のちがいなどにあらわれる、ヴァザーリの蒐集に対する態度に関しては、目下研究を続行中である。
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Research Progress Status |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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Report
(3 results)
Research Products
(12 results)
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[Book] Occhi e sguardi nella filosofia e nelle arti / Eyes and Gazes in Philosophy and Arts2015
Author(s)
Giuseppe Patella, Atsushi Okada, Genta Okamoto, Roberto Terrosi, Paolo D'angelo, Lucio Saviani, Marie Sato, Giovanni Salmeri, Vincenzo Cuomo, Satoru Yoshimatsu, Francesco Campagnola, Hiroyuki Komatsu, Moe Furukawa, Hideki Sabae, Claudia Colombati, Ayako Ikeno, Michiko Oki, Ako Katagiri
Total Pages
399
Publisher
Universitalia
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