高性能窒化物蛍光体の新規合成方法の開発とLEDへの応用
Project/Area Number |
13J00656
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Inorganic materials/Physical properties
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
金 孝盛 大阪大学, 大学院工学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2013 – 2014
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2014)
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Budget Amount *help |
¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
Fiscal Year 2014: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2013: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | 窒化物蛍光体 / 水素化物 / 炭素還元窒化法 / 白色LED / 波長変換作用 / 農業用シート / 希土類蛍光体 / 金水素化物 / 直接窒化法 / バックライト光源 / 固体照明 |
Outline of Annual Research Achievements |
申請者が所属する研究室では、炭素還元窒化(CRN)法またはガス還元窒化(GRN)法、蛍光体の成分である金属またはその合金を原料とした直接窒化(DMN)等により、窒化物蛍光体材料であるCaAlSiN_3:Eu^<2+>やM_2Si_5N_8:Eu^<2+>, Ce^<3+>(M=Ca, Sr, Ba)等の合成を行ってきた。しかしながら、生成物に未反応の原料の残存や過剰な炭素の残存等により、十分な品位の蛍光体を得るには至っていない。そこで本申請では、CaCN_2に加えてCaH_2を原料とするCRN法の更なる改良、および微粉化した金属水素化物を原料として用いる合成法の考案により、高品位のCaAlSiN_3:Eu^<2+>および(Ca, Sr)AlSiN_3:Eu^<2+>蛍光体を常圧のN_2ガス雰囲気下で合成することに成功した。本年度はこれらプロセスの機構を明らかにすると共に、その製造条件の最適化に関する知見を得た。また、上記で合成した蛍光体粉末を用いて有機樹脂との複合フィルムを作成し、蛍光体に基づく波長変換特性を明らかにし、これらの農業用シートとしての可能性を検討した。 まず、CaCN_2をCa源および炭素還元剤(CN_2^<2->が作用)として、CaCO_3:Eu^<2+>、AlNおよびSi_3N_4を出発原料としてCaAlSiN_3:Eu^<2+>蛍光体を常圧のN_2ガス雰囲気下で合成できる点に関しては、CaCN_2が1100~1200℃で融解すると共に昇華することから、上記の原料との反応が迅速に進行すると共に過剰のCaCN_2由来の未反応炭素が蛍光体試料に残存せず、高品位の蛍光体が製造できると結論された。同様に、微粉化された金属水素化物の高い反応性と炭素フリーの反応条件により、同水素化物を原料として用いることで同様に、高品位の窒化物蛍光体が得られることが明らかになった。これらより、CaCN_2と金属水素化物とが窒化反応に関与する温度域での条件設定が、高品位の同蛍光体を得る上で重要であると考えられる。 他方、CaAlSiN_3:Eu^<2+>蛍光体粉末をポリオレフィン系の有機樹脂に分散した複合ファイルムは、太陽光中の紫外線から緑色光までの光を葉物野菜の生育に有用な赤色光へ効果的に変換できることが明らかになった。しかしながら、得られたフィルムは透光性に乏しく、この改善が今後の課題である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
CaCN_2または金属水素化物を主要原料として用いたCRN法およびDMN法により、高品位なCaAlSiN_3:Eu^<2+>および蛍光体の合成に成功した。また、合金原料の水素化とCaH_2を使用し、蛍光体内部まで完全に窒化し、高純度のCaAlSiN_3:Eu^<2+>および(Ca, Sr)AlSiN_3:Eu^<2+>蛍光体の合成に成功した。また、CaAlSiN_3:Eu^<2+>と有機樹脂との複合体が太陽光に対して波長変換能を有していることは実証した。以上の結果を3編の論文として学術誌に発表した。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究により、CaAlSiN_3:Eu^<2+>および(Ca, Sr)AlSiN_3:Eu^<2+>蛍光体を、常圧のN_2ガス雰囲気下にも拘わらず高品位な状態で得ることに成功した。これにより、上記の蛍光体の用途を、LED固体照明の分野のみならず、農業用シート向けの波長変換材等としての範囲まで拡大可能と判断される。 他方、本研究で試作した農業用シートでは、CaAlSiN_3:Eu^<2+>と有機樹脂との混連性が不十分なため透明なフィルムを得るには至っていない。この原因は、用いたCaAlSiN_3:Eu^<2+>蛍光体の粒径が大きいことに由来している。今後、一度焼成した蛍光体粉末を微粉砕後、CaH_2等をフラックスとして低温再焼成する等のプロセスの新規開発で、この課題は解決できるものと期待される。
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Report
(2 results)
Research Products
(9 results)