高効率な円偏光発光への応用を目指した、超分子ラセン型キラル発光材料の開発
Project/Area Number |
13J01967
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Functional materials chemistry
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
久松 秀悟 千葉大学, 大学院工学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2013
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2013)
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Budget Amount *help |
¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2013: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | 水素結合 / 有機結晶 / 共結晶構造 / ダイマー発光 / 固体発光 / AIE特性 |
Research Abstract |
本研究では、ラセン構造を利用したキラル発光材料の開発を目的としている。この目的を達成するために、発光部位をリンカーでつなぎ、ラセン状に折りたたんだコの字およびS字型のフォルダマー分子を考案した。高輝度なキラル発光を実現するために、次の2つの項目についての調査を行った。 (1)リンカーの特性に関する調査。リンカー部位はフォルダマー分子をキラルなラセン状に折りたたむために非常に重要な部位である。本研究ではリンカー部位にウレア基を用い、2枚のフェニル基をつなぎ、その両末端にはカルボキシ基を備えたコの字型分子を設計した。コの字型分子とジピリジル誘導体等との共結晶は、誘導体に依存し様々な結晶構造を構築した。共結晶中のコの字型分子中のフェニル基同士のねじれは、広範囲の角度を採る事が分かった。これにより、リンカーとしてのウレア基は、ある程度柔軟性を持った折りたたみ構造の構築に有用である事が示唆された。 (2)発光部位に関する光学特性の調査。発光部位としてアントラセンを採用し、固体状態における発光性の制御を試みた。具体的には、アントラセン部位をペア型に配列させる事でダイマー発光を固体状態で発現させた。さらに多形結晶を利用する事で青色と緑色の発光を示す結晶を得る事に成功した。準安定な構造の青色発光結晶を加熱すると安定な結晶構造への相転移が起こり発光色が青から緑へと変化する現象が観測された。またこれらの誘導体をポリマーに分散させた際、分散割合を変える事で青色や緑色の発光を示すフィルムが得られた。この系での結晶多形の発現は、誘導体が有する2種類の水素結合部位が形成する結合様式に基づくものであり、発光性を示す多形結晶としては、非常に珍しいものである。これらの研究成果は、(1)では学術論文として発表済みである。(2)では、近日中に論文として投稿予定であり、また国際学会での発表や筆者の博士論文中でも報告している。
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Strategy for Future Research Activity |
(抄録なし)
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Report
(1 results)
Research Products
(4 results)