Research Project
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
昨年度までに実施した東京大学TSー4装置を用いた2つの磁力管合体実験を行った。その成果をもとにして、本年度は磁力管が剛体として近似でき、合体時の磁気リコネクションが理想的な駆動型であることを仮定した簡単な理論モデルを定式化し、モデルにより計算される磁力管合体にかかる時間が、実験で得られた値と30%程度の差で一致することを確認した。モデルが非常に簡単であることから、このモデルに実プラズマの持つ圧縮性の効果や磁気張力、磁気圧力の存在による変形効果等を加えることで、より正確なモデルを定式化することが可能である。そこで磁気流体力学(MHD)に基づいた計算モデルを用いて、2個および3個以上の複数の磁力管の合体過程をシミュレーションを行った。このシミュレーションは先に定式化した理論モデルと比較すると計算量が非常に大きいが、圧縮性や磁場による磁力管の変形効果が全て含まれている。磁気リコネクションのまさに発生するX点近傍の振る舞いをMHDモデルで正確に表すにはクロージャ問題という有名な未解決問題を解決しなければならないが、本研究で用いたMHD方程式系では衝撃波による高速リコネクションが発生し、リコネクション速度を外部条件に従ってコントロールすることで、合体速度に関しては正しく扱うことができる。MHDシミュレーションにより得られた結果と、先に定式化した理論モデル、昨年度までの実験結果との合体速度を比較した。その結果、TSー4装置の実験では外部の磁力管の力学的運動がインフローを駆動する際に、リコネクション領域周辺の高い磁気圧力に跳ね返されることで発生するバウンス運動が主に合体速度の瞬時値を決定していることが明らかになった。
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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電気学会論文誌A
Volume: 136
130005254589