表皮ケラチノサイトヒスタミンH4受容体を介する新たな掻痒発現機序
Project/Area Number |
13J02734
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
疼痛学
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
諏訪 映里子 千葉大学, 大学院薬学研究院, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2013
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2013)
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Budget Amount *help |
¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2013: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | ヒスタミンH4受容体 / ケラチノサイト / 掻痒 |
Research Abstract |
難治性皮膚疾患の多くは掻痒を主訴とし、症状の増悪に深く関与している。ヒスタミンH4受容体は、免疫・アレルギー反応へ関与するとされ、さらに掻痒反応への関与が強く示唆されている。これまでに我々は、ヒスタミン及びサブスタンスPで誘発した急性掻痒モデルマウスにおいて、H4受容体拮抗薬が有意に掻痒反応を抑制し、アトピー様慢性掻痒モデルマウスにおいても、H4受容体拮抗薬が有意な抗掻痒および皮膚炎改善作用を有することを見出した。さらに、ヒト表皮組織を用いた検討により、表皮上層の分化したケラチノサイトが、表皮下層の未分化ケラチノサイトに比較してH4受容体を強く発現している事を見出した。そこで本研究では、表皮ケラチノサイトのヒスタミンH4受容体を介する掻痒性皮膚疾患病態形成における役割を明らかにすることを目的に検討を行った。 ヒト表皮株化ケラチノサイトHaCaT及び正常ヒト表皮ケラチノサイト(NHEK)において、分化誘導に伴うH4受容体の発現増加が確認できた。さらに同細胞を用い、ヒスタミン及びTNF-α刺激による皮膚炎類似培養系を構築し、ケラチノサイトの炎症性サイトカイン産生におけるH4受容体の役割を検討した。その結果、H4受容体拮抗薬JNJ7777120は炎症性サイトカイン産生抑制作用を示し、一方H4受容体作動薬4-methylhistamineは炎症性サイトカイン産生を増強することを明らかにした。以上、本研究において得られた知見により、アトピー性皮膚炎を含む炎症性皮膚疾患において、表皮ケラチノサイトに発現するH4受容体が病態形成に何らかの役割を演じている可能性が示唆された。本研究により、現在有効な治療薬の少ない難治性掻痒性疾患において、H4受容体拮抗薬が新たな掻痒治療薬のシーズとなり得る可能性を示すことができた。
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Strategy for Future Research Activity |
(抄録なし)
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Report
(1 results)
Research Products
(4 results)