Project/Area Number |
13J04046
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Organic chemistry
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
山口 龍一 名古屋大学, 工学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2014)
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Budget Amount *help |
¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
Fiscal Year 2014: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2013: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | イリジウム触媒 / ホウ素化 / ヘキサベンゾコロネン / 一重項ビラジカル / π拡張ジイミン |
Outline of Annual Research Achievements |
近年、多環芳香族炭化水素の化学が、飛躍的な発展を遂げている。曲面π共役化合物、非局在型一重項ビラジカルなど、興味深い新奇物質が創成されてきている。しかし多くの場合、それらの合成には多段階合成が必要である。本研究では、飛躍的な発展を続ける遷移金属触媒反応を用いることで、この問題を解決しようと考えた。本研究は、多環芳香族炭化水素を遷移金属触媒反応により直接官能基化し、新奇構造の創成と物性発現を目指すものである。注目したのは、ヘキサベンゾコロネン(HBC)である。HBCの電子構造は、π拡張されたベンゼンに近似されるため、基礎化学的な観点から興味深い。さらにHBCは、その優れた平面性から、超分子材料としての応用が期待されている。
本研究ではまず、HBC骨格に対する直接修飾法を検討した。検討の結果、イリジウム触媒によるC-H活性化反応を用いることにより、HBC骨格に対して、位置選択的にボリル基を導入することに成功した。これは、HBC骨格に対する直接ホウ素化の初めての例である。また、得られたボリル体を酸化することで、π拡張キノン体、テトラカルボニル体の合成に成功した。前者のπ拡張キノン体は、磁気物性測定により、一重項ビラジカル性が確認されている。これは、HBCに対する直接ホウ素化から、わずか3ステップで、閉殻分子を一重項ビラジカルに変換できたことを意味する。さらに、ボリル体を足掛かりとすることで、HBC骨格に対して様々な置換基の導入することに成功した。さらに、テトラカルボニル体に対する修飾法を確立し、歪んだπ平面を持つHBCの合成に成功した。多様な官能基の導入や平面性の制御を、合成経路の後半で可能にすることは、Late-stageの観点から合成化学的に有用である。
以上のように、本研究は遷移金属触媒反応を用いた直接修飾法の確立が、多環芳香族炭化水素における新奇構造や物性発現において重要な貢献をすることを示すものである。
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Research Progress Status |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Report
(2 results)
Research Products
(4 results)