Research Project
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
本研究員は、ルテニウム (Ru) や鉄 (Fe) を主触媒とするLRPにおいて、フェロセン(FeCp2)やその誘導体が重合を促進する助触媒として機能する「協奏レドックス触媒系」を見出し、Ru主触媒量の低減や、高活性オール鉄触媒システムを実現した。本触媒系の特徴の一つは、触媒プロセスで生成する三価のフェロセンがイオン錯体 (フェロセニウムイオン: [Fe(III)Cp2]A; A: 対アニオン) であり、対アニオンによってその性質が大きく影響を受けるという点にある。例えば、フェロセニウムハライド ([Fe(III)Cp2]X; X: ハロゲン) は、協奏レドックス触媒系において、ラジカル生長種に対するハロゲンキャッピング剤であるが、[Fe(III)Cp2]XにNH4PF6を反応させることで得られる[Fe(III)Cp2]PF6は非常に安定であり、ハロゲンキャッピング剤とはならない。ゆえに、Ru/FeCp2協奏レドックス触媒とNH4PF6を組み合わせると、ラジカル停止反応が促進される。本研究員はこの特徴に着目し、Ru/FeCp2/NH4PF6触媒系をポリスチレン(PSt)のラジカルカップリング反応に対する効果的な触媒系として用いることを考えた。具体的には、LRPによって合成されたPSt (α末端に開始剤由来基、ω末端にハロゲンを有する) に対してラジカルカップリングを行うことにより、両端官能基化ポリマーをほぼ定量的に得た。また、LRPによって両末端にハロゲンを有するプレポリマーを合成し、同様の条件でラジカルカップリングを行ったところ、鎖が延長されたPStが得られた。さらに、ポリエチレングリコール(PEG)部位を持つ二官能性LRP開始剤からスチレンを重合した後、ラジカルカップリングを施すことで、PEGとPStのマルチブロックコポリマーの合成にも成功した。
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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Macromolecules
Volume: 49 Issue: 8 Pages: 2962-2970
10.1021/acs.macromol.6b00142
Volume: 48 Issue: 13 Pages: 4294-4300
10.1021/acs.macromol.5b00836
Polymer Chemistry
Volume: 6 Issue: 45 Pages: 7821-7826
10.1039/c5py01063b
http://living.polym.kyoto-u.ac.jp/index.html