Research Project
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
植物の細胞間隙は呼吸や光合成におけるガス交換に重要な組織構造であるが、その発生分子機構はほとんど分かっていない。ゼニゴケは、葉状体の背面に細胞間隙を持つ器官である気室を形成する。ゼニゴケは、葉状体の背面に細胞間隙を持つ器官である気室を形成する。我々は、植物における細胞間隙形成のモデル系として、ゼニゴケの気室形成過程を解析している。これまでに気室が形成されないゼニゴケ変異体nopperabo1 (nop1) を単離し、nop1では気室発生初期段階における細胞間隙形成が起こらないことを明らかにしている。本課題でNOP1によるタンパク質分解の標的となる因子や関連因子の単離同定を目指した。前年度までにNOP1にエピトープタグ (Citrine) を付加し,免疫沈降およびMS解析を行った。精製したNOP1-標的タンパク質複合体についてLC-MS/MS解析を行った。その結果いくつかの標的候補因子が単離されたほか、細胞壁再構築に関わる因子が高頻度で検出された。今年度はゼニゴケの遺伝子リストに細胞内局在やシロイヌナズナのアノテーション、GOターム参考にしたデータベースを作成し、候補因子を30にまで絞り込んだ。候補因子について、当研究室で確立されたゼニゴケのCRISPR/Cas9ゲノム編集システムを用いて野生型背景及びnop1背景のそれぞれで機能欠損株を取得し、気室の表現型に異常があるかどうか観察した。機能欠損株の作出は現在も進行中であるが、得られたいくつかの候補因子については気室形成に異常を示すものがあった。この因子は気室形成においてNOP1と協調して働く可能性が示唆された。これまでの研究からNOP1は細胞壁を再構築し、細胞間接着の剥離を制御していると考えられる。今後、標的候補因子や細胞壁再構築因子の詳細な解析を行うことで、細胞間隙形成の分子機構が明らかになると考えられる。
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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Plant Cell
Volume: 25 Issue: 10 Pages: 4075-4084
10.1105/tpc.113.117051
http://www.lif.kyoto-u.ac.jp/j/modules/research/content0039.html
http://www.lif.kyoto-u.ac.jp/labs/plantmb/publications/