黄色ブドウ球菌ヘム輸送蛋白質群を標的とした実験科学・計算科学両面からの阻害剤開発
Project/Area Number |
13J06526
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Biophysics
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
森脇 由隆 東京大学, 農学生命科学研究科, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2014)
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Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 2014: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2013: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | 蛋白質化学 / ヘム / 黄色ブドウ球菌 / 計算科学 / 生物物理学 / 分子動力学 / 構造生物学 / 病原性細菌 |
Outline of Annual Research Achievements |
当該年度では、Isd蛋白質間のヘム輸送の瞬間に現れるIsd-ヘム-Isdの三者複合体において、2つのIsd蛋白質がヘムに同時に配位する瞬間を、量子化学計算と分子力学のハイブリッド法であるONIOM法を用いて理論的な見地から考察した。一方のIsd-hemeの1:1の安定な複合体に対し、apo体のIsd蛋白質が重なるようMDシミュレーションでターゲッティングさせたところ、ヘムをハサミの支点になぞらえて2分子のIsd蛋白質がハサミの刃のようにドッキングした複合体が最も安定であることが新たに判明した。この瞬間、各Isd蛋白質のチロシン残基がヘムの鉄原子に上下から同時に配位結合を形成することができ、エネルギー計算からこの状態は準安定構造であることを証明した。 これまでIsd蛋白質は、nMオーダーの強力な蛋白質―ヘム結合を持つにも関わらず、同種のIsd蛋白質相手のみ選択的に瞬時にヘムを輸送することが可能であることがこれまで分子機構上不明とされてきた。ここで、本研究で示されたこの準安定な三者複合体中では、ヘムとIsd蛋白質のチロシン間の結合が一時的に中和され、両蛋白質にゆるく結合されている状態であることが判明した。この分子機構はこれまでに例がなく、新種のヘム輸送機構である。一方で、近年のゲノム解析の結果から炭疽菌など一部の有名なグラム陽性病原菌にも同様の蛋白質がコードされていることが判明しつつある。本研究の結果は、人体に悪影響を及ぼす黄色ブドウ球菌や炭疽菌などが必須栄養素とする鉄獲得を封じるための阻害剤開発への知見を切り拓くだろう。
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Research Progress Status |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Report
(2 results)
Research Products
(6 results)