Research Project
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
本研究の目的は、出身階層による教育機会の不平等発生のメカニズムを解明することである。複雑化した教育制度を包括的にとらえるため、昨年までに修得した高度な統計モデルおよびシミュレーションの技法をもとに、教育機会不平等構造の趨勢の記述、ならびに今後の変動予測を行った。第1に、教育機会不平等を捉える計量的なアプローチである「トランジションモデル」に対し、カテゴリカルな変数に対する統計アプローチを応用し、現代の日本において、昔よりも高校進学に関する不平等は減少し、一方で大学進学には出身家庭背景の影響がより強くなっていることが確認できた。第2に現在近年注目されている中学校段階の質的差異に着目したところ、国私立中学校進学に関する階層差は存在するものの、高校段階のそれと比較すると小さいものであることが分かった。中学校段階の階層間格差がどのように変化するのかを予測するため、コンピュータ上に人工社会をつくり出しエージェントベースシミュレーションを用いて分析した結果、国私立中学校の増加によって、教育機会全体の不平等は変化しないが、格差が発生するタイミングが早期にシフトする可能性が見いだせた。以上は教育機会の不平等と制度の関係を記述した「階層効果逓減現象」および「最大格差維持仮説」に異を唱える結果となった。本研究は、中学校等の早期段階も含めた教育機会不平等の構造を記述し、選抜の早期化が進行した未来を予測する手段を示した。今後の研究では、これらの方法をより精緻化し教育機会の質的な分化も射程に入れるような手法を確立する必要がある。
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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社会学年報
Volume: 45
130006575853
Volume: 96
東北大学大学院教育学研究科研究年報
Volume: 63(2) Pages: 1-22
『社会学年報』
Volume: 44
社会学研究
130008143695
Volume: 63(2)
120005626298
Volume: 63(1) Pages: 33-51
120005528600