強相関ぺロブスカイト酸化物を用いた二次元トポロジカル絶縁体の実現
Project/Area Number |
13J08450
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
物性Ⅱ(磁性・金属・低温)(実験)
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
原島 慧 東京大学, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2013 – 2015-03-31
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Project Status |
Declined (Fiscal Year 2014)
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Budget Amount *help |
¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
Fiscal Year 2014: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2013: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | 酸化物ヘテロ界面 / パルスレーザ堆積法 / 二次元電子ガス / 遷移金属酸化物 / タンタル酸カリウム |
Research Abstract |
近年、ペロブスカイト型酸化物の(111)面方向の薄膜・表面が三角格子や六角格子を形成してトポロジカル物性が発現する可能性が理論的に示唆されており注目を集めている。このような物性を輸送特性から検出することを長期的な目的として、強いスピン軌道相互作用を持つTaを含むタンタル酸カリウムを対象物質として選出し、(111)面研磨の単結晶基板表面に電子をドープして低温での輸送特性を測定した。まず、パルスレーザー堆積法でアルミナ薄膜を基板上に堆積し、酸素ゲッタリングによって基板表面近傍に酸素欠損を導入し、電子ドープする方法を試みた。電気伝導が観測できるような薄膜成長条件を見出し、2Kまでの低温で輸送特性を測定したところ、温度の低下とともに抵抗が増加する絶縁体的挙動が見られた。これとは別に、単結晶基板表面をチャネルとした電気二重層トランジスタ(EDLT)を作製し、より高いキャリア密度領域での電気伝導も検証した。フォトリソグラフィの光学マスクをデザインしてデバイス作製手順の条件出しを行い、温度240Kでのトランジスタ動作を実現した。これらのEDLTデバイスもアルミナ薄膜デバイスと同様に低温での移動度低下を伴う絶縁体的挙動を示した。また、バンドギャップ以上のエネルギーをもつ紫外光を照射して単結晶基板に光キャリアを発生させたところ、この場合も低温で抵抗が増加した。以上三つの異なる電子注入法すべてで電気伝導と低温における絶縁体的挙動を観測できた。しかしホール効果測定の結果によれば、酸素ゲッタリング試料とEDLT試料は移動度が減少し、一方で光キャリアの場合はキャリア密度が減少しており、これらの現象の詳細なメカニズムは現時点では明らかでない。ペロブスカイト型酸化物の(111)面内二次元電気伝導は他の物質を含めても実験報告が多いとはいえず、本研究から得られた知見は、遷移金属酸化物中のトポロジカル物性の研究において今後重要になると期待できる。
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Strategy for Future Research Activity |
(抄録なし)
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Report
(1 results)
Research Products
(2 results)