経済危機に対する民衆の抵抗運動の研究:カタルーニャのインディグナドス運動の諸相
Project/Area Number |
13J08978
|
Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Cultural anthropology/Folklore
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
池田 朋洋 東京大学, 総合文化研究科, 特別研究員(DC1)
|
Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 2015)
|
Budget Amount *help |
¥2,700,000 (Direct Cost: ¥2,700,000)
Fiscal Year 2015: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2014: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2013: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
|
Keywords | 経済危機 / 社会運動 / 住宅ローン / エンパワーメント / インディグナドス(15-M)運動 / 社会運動論 / 水平民主主義的実践 / 住宅ローン被害者の会(PAH) / インディグナドス(15-M)運動 / アナーキズム / オルタ・グローバリゼーション理論 / 住宅ローン被害者の会(PAH) |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題は、経済危機による社会問題に呼応して、スペインで今日まで継続的に展開してきた社会運動を対象とするものである。本年度は前年度までに行った「住宅ローン被害者の会(PAH)」におけるフィールドワークのデータの分析ならびに考察が中心的な研究活動となった。 経済危機下で巨大な社会問題と化した住宅ローンという債務をめぐっては、一方で法的枠組みに基づいて政府の援助や銀行の示談が行われ、これに対応する形でPAHは制度化しつつある。2015年7月にスペインで催された国際学会では、この制度化の中で債務者が活動家に依存し当事者意識が低下することへの危惧を、PAHにおける「エンパワーメント」概念との関係で論じた。 2015年12月には、住宅問題に対する法的な対処と社会運動側の対処の折衝について発表した。銀行や行政との関係で運動が制度化する一方で、制度的解決に含まれる債務者は一部であり、むしろそれらによって測ることの出来ない家庭状況や生活状況におかれた債務者をエンパワーメントを通して動員することこそが、制度に回収し得ないPAHの政治のあり方を特徴付けている。 2016年2月に発行された学術論文においては、住宅ローン債務者たちの抗議活動を、住宅問題の発端をスペイン民主化期にまでさかのぼる不動産バブルの政治に代表される既存の政治への不信感あるいは対決という文脈において位置づけた。政府による救済措置がその外部へと排除される大多数の債務者を自己責任として退けるのに対し、PAHは債務者個人の問題が個人的なものではなく、歴代スペイン政府の新自由主義政策と土地政策によって必然的に生じたものであり、政治的責任が存在することを認識、指摘している。PAHのエンパワーメントとは、社会的な問題を個人的な問題だと感じるこの自責の念からの解放を通して行われるものであり、債務者の抗議活動はこの認識の変化に支えられている。
|
Research Progress Status |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Strategy for Future Research Activity |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Report
(3 results)
Research Products
(5 results)