Research Project
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
本研究は、新規開発した超微粒子原子核乾板をもちいた暗黒物質探索実験の実現に向け、課題となった精密性能評価とバックグラウンド除去を目的とする。シグナル検出効率を評価すため、校正系と微細構造による影響を考慮したシミュレーションを独自開発し、このスペクトルへの影響が、実際の校正系での結果とよく一致することを確認した。これらの成果は6/1-4に行われたCYGNUS 2015及び6/17-19に行われたで報告した。また、ICAIでの報告はBest Paper Awardを受賞している。次に、暗黒物質検出時にこの結果を組み込むことである。検出器内で発生すると計算される暗黒物質反跳イベントに対し、角度やエネルギーに応じた検出確率、散乱角度分布の計算を加える。そこで、地球上における暗黒物質による反跳スペクトルのシミュレーションを行なっていた共同研究者A. Di Crescenzoa, N. Di Marcod らとともに、申請者のこれまでの研究結果を加えた研究を進めた。また、シミュレーションの精密化により、読み取り系の精度と結晶の位置精度の関係に対する研究を行なった。SEMによる解析とsimulationの比較により、結晶の位置決定精度に対する理解を進め、100 nm程度の現像フィラメント長起因と思われる精度の悪化を確認した。この結果は画像関連学会連合会 第2回秋季大会にて報告した。また検出効率が非常に低い場合、1結晶の検出位置精度による確率的な影響が読み出し効率に強く効くことが予想され、その際位置精度が悪い大きな結晶が確率的に有利な場合が予測されうると指摘した。これは10~20 keVの炭素イオンで検証可能であり、実験にベストな検出器をデザインすることも今後の課題となる。また、共同研究者の桂川・梅本らと共に検出器の内部バックグラウンド源の特定を進め、背景事象を抑制することで実験規模を向上させる研究を進めた。
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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