近代日本における人口変動と家計内資源配分のミクロ実証分析
Project/Area Number |
13J09772
|
Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Economic history
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
小笠原 浩太 東京大学, 大学院経済学研究科, 特別研究員(PD)
|
Project Period (FY) |
2013
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 2013)
|
Budget Amount *help |
¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 2013: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
|
Keywords | 人口変動 / 家計内資源配分 |
Research Abstract |
研究実施計画に基づいて家計調査史料の整理と読解を進め、分析に必要となるデータベースの構築に注力した。まず、実施計画に記した5つの史料のうち4つについては、公文書館および図書館への調査を通じて収集を終えることができた。次に、これら大規模なデータを集約するために、計画通り史料整理とデータ入力を担当するアシスタントを雇用し、効率的な作業につとめた。その結果、東京市の調査史料の一部については、データベースの構築をほぼ終えることができた。さらに、これまで分析を続けてきた東京市の乳児死亡に関する研究については、当初の一般化積率法による推定から、内生変数を含む分位点回帰(Quantile Regression)モデルを用いた推定に切り替えたところ、方面委員による活動の効果が分位点によって異なるという結果が観測された。具体的には、乳児死亡率の高い地域では、それが低い地域に比して方面委員による活動の効果が大きいという、史料分析に基づく予測と整合的な解析結果を得ることができた。そこで、これら結果を国内のワークショップやセミナーで報告するとともに、査読付国際学術誌(Cliometrica誌)に投稿し、掲載決定の判定を受けた。以上、次年度の統計解析に用いるデータセットの構築がほぼ予定通りに進んだこと、および当初予定していた査読付国際誌への掲載が決定したことから、初年度の研究は順調に進行したと考えられる。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
交付申請書に記した計画に基づいて、次年度以降の分析に用いる複数の都市家計調査のうち、ひとつのデータベースをほぼ構築し終えた。統計解析に利用可能なデータセットの構築には至らなかったものの、このような若干の遅れは想定の範囲内であり、一方で史料収集については当初の計画以上に進展している。さらに、これまでの研究成果をCliometrica誌に投稿し、掲載決定の判定を受けたことから、今年度の研究はおおむね順調に進展したと考えられる。
|
Strategy for Future Research Activity |
まず、本年度構築したデータベースについては、少数ではあるが史料において解読不可能な箇所があったため、それらを修正した上で統計解析に利用可能なフォーマットに落とし込む。また、記述統計量からデータの特徴を把握しつつ入力ミスを修正し、最終的な解析に用いるデータセットを構築する。研究計画に記した通り、単一の論点から当時の出生行動を明らかにすることはきわめて困難であると予想されるため、まずは最も関心のある教育投資に着目し、それを家計内資源配分の観点から分析する。さらに、収集を終えた他の家計調査についても、上記と同様にデータベースを構築する予定である。
|
Report
(1 results)
Research Products
(4 results)