共生細菌が引き起こす昆虫の性特異的致死現象の機構解明
Project/Area Number |
13J10329
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Applied entomology
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Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
杉本 貴史 富山大学, 理学部, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2015)
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Budget Amount *help |
¥4,190,000 (Direct Cost: ¥3,500,000、Indirect Cost: ¥690,000)
Fiscal Year 2015: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2014: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
Fiscal Year 2013: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
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Keywords | ボルバキア / オス殺し / 生殖操作 / アズキノメイガ / 細胞内共生 / 遺伝子量補償 / 性決定 / 遺伝的オスのメス化 / 共生細菌 |
Outline of Annual Research Achievements |
申請者は昨年度までに、共生細菌ボルバキアによるオス殺しが、宿主の性転換の誘導を伴って起こること、その際に、致死オスにおいて遺伝子量補償に異常が生じていることを明らかにした。今年度は、カイコガにおけるオス化遺伝子masculinizerのホモログOsmascの全長配列を決定し、アワノメイガ培養細胞を用いて機能解析を行った結果、Osmascがオス型Ofdsx発現を誘導することが確認された。この結果から、Osmascがアズキノメイガのオス化を誘導する性決定遺伝子であることが確認された。これはチョウ目昆虫で2例目の報告となる。 次に、オス型Ofdsxの発現が誘導された培養細胞にボルバキアを感染させた結果、オス型Ofdsx発現が失われ、メス型Ofdsxのみが確認された。この培養細胞から抗生物質処理によってボルバキアを除去したところ、再びオス型Ofdsx発現が観察された。この研究により、培養細胞上において、ボルバキア感染操作を通じて生殖操作の有無を自在に操れる実験系の確立に成功した。 生殖操作因子が持つ多様性の調査や、生殖操作因子の獲得要因を推測するための実験系構築を目的として、新規に獲得したボルバキア非感染の性比異常アズキノメイガ系統(SRw-系統)の生殖操作についての解析を行った。まず、SRw-系統の体内細菌叢の網羅的解析を通じて、性比異常現象は細菌以外の要因によって引き起こされていることを示した。さらに検証を進めた結果、細菌以外の要因によって生殖操作が引きおおこされるSRw-系統で、ボルバキア感染母系と全く同じ、遺伝的オスのメス化を内包し、遺伝子量補償の異常を伴ったオス殺しが起こっていることが明らかになった。 これらの結果が示すように、昆虫の生殖操作と、その生殖操作要因の詳細な解析にむけた、研究基盤の構築が進展した。
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Research Progress Status |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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Report
(3 results)
Research Products
(9 results)