神経系におけるゲノム機能解析のためのツール開発と行動遺伝学への応用
Project/Area Number |
14011208
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Biological Sciences
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
飯野 雄一 東京大学, 遺伝子実験施設, 助教授 (40192471)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
國友 博文 東京大学, 遺伝子実験施設, 助手 (20302812)
|
Project Period (FY) |
2002
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 2002)
|
Budget Amount *help |
¥5,800,000 (Direct Cost: ¥5,800,000)
Fiscal Year 2002: ¥5,800,000 (Direct Cost: ¥5,800,000)
|
Keywords | 細胞特異的遺伝子発現 / 生殖腺特異的遺伝子 / 線虫C.エレガンス / 不捻表現型 / eIF-5A / ATP合成酵素 / 化学走性 / 学習 |
Research Abstract |
線虫は全細胞が同定されているなど、高い分解能の解析が行えるが、体長が約1mmと小さいことから特定の組織/細胞を切り出すことができない。特定の細胞群からのみのmRNAを得ることを可能とするための方法の開発を試みた。細胞のすべてのmRNAのポリAテールに結合する性質のあるpolyA結合蛋白質(PABP)にFLAG-His-GFPタグを付けたコンストラクトを作成した。これを特異的プロモーターで発現させ、in vivoの状態でmRNAとクロスリンクした後に、すり潰して抽出液からタグを手がかりに蛋白質-RNA複合体を回収し、クロスリンクを解除した後に、RNAを回収する。このRNAからcDNAを合成する。パイロット実験として全身でタグ付きPABPを安定に発現する株を作成し上記の分離操作を施したところ、クロスリンクした時にのみmRNAが回収され、この方法が期待通りに働くことが確認された。そこで、感覚神経、運動神経、筋肉のそれぞれにタグ付きPABPを発現させ、それぞれから同じ方法でmRNAの回収を行った。多くの場合、それぞれのサンプルにおいてそれぞれの組織に特異的な遺伝子の濃縮が見られた。得られた感覚神経と運動神経のRNAサンプルをプローブとして用い、国立遺伝研、小原教授のグループにより、cDNAマイクロアレイへのハイブリダイゼーションを行った。感覚神経RNAサンプル/運動神経RNAサンプルのシグナル比の高いもの9クローンについて、GFPレポーター遺伝子を作成し、発現を調べた。この結果、うち8クローンは期待されたとおり感覚神経に発現していることが確認された。この方法は特定の細胞群に特異的に発現する遺伝子の網羅的な同定、特定の細胞群だけの外界刺激や突然変異による遺伝子発現の変化の検出などに有用であると考えられる。
|
Report
(1 results)
Research Products
(1 results)