Project/Area Number |
14011240
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Biological Sciences
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Research Institution | Okazaki National Research Institutes |
Principal Investigator |
望月 敦史 岡崎国立共同研究機構, 基礎生物学研究所, 助教授 (10304726)
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Project Period (FY) |
2002
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2002)
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Budget Amount *help |
¥5,600,000 (Direct Cost: ¥5,600,000)
Fiscal Year 2002: ¥5,600,000 (Direct Cost: ¥5,600,000)
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Keywords | 発生生物学 / 形態形成 / 数理モデル / シミュレーション / 錐体モザイク / 葉脈形成 |
Research Abstract |
本研究は、具体的な発生現象を取り上げて数理モデルを構築し、その解析によって形態形成機構を解明することを目的として実施された。第一に異なる波長に感受性をもつ4種の錐体細胞が幾何学的に配列している魚類の網膜上の錐体モザイクについて研究した。細胞間の最近接相互作用により各細胞が移動することで配列が自動的に形成されるとする「細胞移動モデル」を解析し、規則配列が実現される条件を求めた。メダカとゼブラフィッシュとで異なる配列パターンを、同一のモデルにおける相互作用パラメータの違いによって説明できた。 この成果に加えて魚の縞模様形成など様々な形態形成現象について、微分方程式系を用いて研究した。これらの形態形成機構を明らかにし、検証可能な予測を導いた。例えば葉脈形成について新しい有力なメカニズムを提唱した。葉脈形成を説明する2つの有力な仮説が提唱されているが、いずれも形態の可変性を十分に説明できない。これに対し葉の辺縁部で合成されたauxinを消費しながら葉脈が伸長するという新しいモデルを提案した。計算機シミュレーションを行うと、伸長と分岐の繰り返しにより葉脈が作られる一方で、全体として等間隔のネットワークが形成された。このモデルは2仮説の特徴的性質(分岐しつつ成長する性質と、拡散不安定性により周期パターンを作り出す性質)を合わせ持ち、これまで対立すると考えられていた2つの仮説を矛盾無く統合することができた。葉脈パターンの種間多様性もわずかなパラメータ変化で作り出せると期待できる。
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