多型マイクロサテライトを用いた東アジア人の遺伝的特性に関する研究
Project/Area Number |
14013058
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Biological Sciences
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
田宮 元 東海大学, 医学部, 助手 (10317745)
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Project Period (FY) |
2002
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2002)
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Budget Amount *help |
¥5,100,000 (Direct Cost: ¥5,100,000)
Fiscal Year 2002: ¥5,100,000 (Direct Cost: ¥5,100,000)
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Keywords | 東アジア人 / マイクロサテライトマーカー / 連鎖不平衡 / 遺伝的特性 |
Research Abstract |
現在、ヒトゲノム上に多くの遺伝的多型マーカーが同定され、これを利用したゲノムワイド連鎖不平衡マッピングによって、多遺伝子性疾患関連遺伝子の同定が試みられようとしている。一方で、そのような解析に必須となる人類集団のゲノムワイドな遺伝的特性に関する知見は少なく、特に日本人など東アジア人は比較的均質な遺伝的背景を持つとされているが、詳細な情報は非常に少ない。そこで、本研究では、日本人、韓国人、ハルハモンゴル人、ヨーロッパ系アメリカ人の4集団について、Y染色体から26個、X染色体上から9個、常染色体上から24個の多型マイクロサテライトを用いて対立遺伝子遺伝子頻度分布の比較を行い、集団の遺伝的特性に関する調査を行った。 4集団間の対立遺伝子頻度分布の比較から、Y染色体26マーカーに関しては、日本人・韓国人集団間で有意差を示すマーカーが8座位(30.8%)であったのに対し、他の集団ペア間では61.5-88.5%の座位で有意差が認められた。また、常染色体24マーカーにおいては、日本人・韓国人集団間で有意差を示すマーカーは1座位(4.2%)に過ぎなかったのに対し、他の集団ペア間では12.5-62.5%で有意差が認められた。これらの結果は、日本人集団と韓国人集団が互いによく似た遺伝的組成を持つことを示唆する。 さらに、Y染色体マーカーを用いた系統解析から、日本人集団には、遺伝的に異なる複数の系統が含まれていることが示唆された。そこで、日本人集団についてはY染色体を用いた系統解析に基づいて集団をグループ分けし、常染色体マーカーの対立遺伝子頻度分布の違いを調べることで、集団内部の階層化の有無を検討した。その結果、日本人内部で観察されたY染色体の2系統間では、常染色体マーカー全てにおいて対立遺伝子頻度分布に有意差が認められなかった。このことは、少なくとも現在の日本人集団では遺伝的混合が十分になされており、集団の階層化は生じていないことを示唆する。
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Report
(1 results)
Research Products
(10 results)