鳥類のZW型性決定機構のゲノム生物学的アプローチによる解析
Project/Area Number |
14014248
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Biological Sciences
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
水野 重樹 日本大学, 生物資源科学部, 教授 (90112903)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
荻原 淳 日本大学, 生物資源科学部, 助手 (50256830)
加藤 順 日本大学, 生物資源科学部, 講師 (80130467)
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Project Period (FY) |
2002
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2002)
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Budget Amount *help |
¥5,500,000 (Direct Cost: ¥5,500,000)
Fiscal Year 2002: ¥5,500,000 (Direct Cost: ¥5,500,000)
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Keywords | ニワトリ / 性決定 / 初期性分化 / 性染色体 / W染色体 / 反復配列 / cDNAマクロアレイ / spindlin遺伝子 |
Research Abstract |
1.ニワトリW染色体上に制限酵素SspIで切り出される0.5kb単位が11300回縦列反復したSspI-ファミリー反復配列を見いだし、反復単位のクローニングと塩基配列決定を行った。W染色体上のXhoI-,EcoRI-ファミリー反復配列が核内で著しく凝縮したヘテロクロマチンを形成するのに対しSspI-ファミリーは分散したクロマチンを形成した。これは、反復単位中の3'側120bpがGGAGAの反復した、3重鎖形成能をもつポリプリン/ポリピリミジン配列であることによるものと考えた。XhoI-,EcoRI-,SspI-ファミリー反復配列のDNA量を合わせる約38Mbとなり、これに雌減数分裂前期のランプブラッシ染色体上のクロモメアのDAPI染色像からさらにSspI-ファミリー(6Mb)相当の未知の反復配列が存在する可能性を含め、W染色体上の反復配列の総和は約44Mbと推定した。W染色体DNAの全量は約54Mbと考えられていることから、非反復配列は10Mb程度と推定される。先に水野グループが求めたW染色体上のspindlin遺伝子(chSpin-W)周辺の遺伝子密度(1遺伝子/480kb)を適用するとW染色体上の遺伝子数は約20個と推定されるが、これまでに5個が見つかっているのみである。このことから、W染色体上に雌の性決定や初期性分化に関与する未知の重要な遺伝子が存在する可能性を考え、以下のアプローチを行っている。 2.生殖腺分化に先立つ2〜5日ニワトリ胚(Hamburger-Hamilton stages 12-27)から雌マイナス雄サブトラクションcDNAライブラリーを作製し、それぞれから約5000クローンずつ、全体で21888クローンを無作為に選びマクロアレイ化した。この中から雌特異的発現レベルが著しく、かつ既知のWpkci遺伝子とは異なる約1000クローンを選別した。現在、この約1000クローンから性染色体由来のものをサザンブロットハイブリダイゼーションにより検索しているが、2日胚(stages 12-13)の段階ですでに雌特異的発現の著しい219クローンが選別されたことは、従来の研究よりさらに早い発生ステージに注目して性決定、初期性分化に関与する遺伝子を検索する必要性を示した。本研究で対象とした初期胚で雌特異的に発現する遺伝子の多くはコピー数を均一化したcDNAプローブで検出されるので、コピー数の少ないmRNAを与えるものと考えられる。これまでに、2日胚で発現するW染色体上の遺伝子として先に水野グループで見いだしたspindlin遺伝子のcDNAクローンが同定された。4日胚からは性染色体上の遺伝子ではないが、BRK1(BMP receptor kinase 1),Rent1(regulator of nonsense transcript 1)のcDNAクローンが同定され、性決定、性分化への関与に興味がもたれる。
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Report
(1 results)
Research Products
(2 results)