β-カテニンとそのパートナー分子による神経発生の制御機構
Project/Area Number |
14017021
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Biological Sciences
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
中村 勉 東京大学, 分子細胞生物学研究所, 助手 (30302798)
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Project Period (FY) |
2002
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2002)
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Budget Amount *help |
¥6,000,000 (Direct Cost: ¥6,000,000)
Fiscal Year 2002: ¥6,000,000 (Direct Cost: ¥6,000,000)
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Keywords | ICAT / RICS / β-カテニン / N-カドヘリン / PSD / CaMKII / 神経発生 / シナプス |
Research Abstract |
本研究では、新規β-カテニン結合タンパク質ICATおよびRICSの機能解析を進めた。その結果、神経発生および神経機能に重要な役割を果たしていることを示す知見を得た。 1.ICAT ICATノックアウトマウスに生じる脳の発生異常をより詳細に明らかにするため、in situ hybridization法により分化マーカーの発現を調べた。その結果、胎生8日の時点ですでに大脳マーカーの発現減少が認められるのに対して、間脳マーカーの発現が亢進し、かつ発現領域が神経板前方部の大脳領域まで拡大した。したがってICATは、神経発生の初期の段階で前脳の領域特異化に関与していることが示唆された。Wntによる後方化シグナルを抑制することによって大脳の領域分化を制御していると考えられた。 2.RICS (1)RICSのGAP活性の生理的なターゲットが、Cdc42およびRac1であることを示した。 (2)ドミナントネガティブ型RICSの発現により、軸索伸長が促進されることを示した。成長円錐に局在するRICSは、Cdc42およびRac1の不活化を介して細胞骨格系を制御し、軸索伸長の制御に関与していると考えられる。 (3)in vitroおよび精製PSD中において、RICSがCaMKIIによって直接リン酸化され、GAP活性が抑制されることを見出した。したがって、NMDA受容体の下流で活性化されたCaMKIIは、RICSをリン酸化してGAP活性を抑制することによって、細胞骨格系の再構成を制御している可能性が示唆された。シナプス可塑性を誘導する分子機構の一つである可能性も考えられる。 (4)当初の計画どおり、RICSノックアウトマウスの作成に成功した。現在、神経系の組織学的解析及び学習・記憶能力の解析を進めている
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Report
(1 results)
Research Products
(1 results)