大脳新皮質形成過程におけるカハール・レチウス細胞と皮質板細胞のクロストーク
Project/Area Number |
14017041
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Biological Sciences
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Research Institution | Hamamatsu University School of Medicine |
Principal Investigator |
福田 敦夫 浜松医科大学, 医学部, 教授 (50254272)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
井上 浩一 浜松医科大学, 医学部, 助手 (80345818)
山田 順子 静岡大学, 大学院・電子科学研究科, 助手 (30334965)
岡部 明仁 浜松医科大学, 医学部, 助手 (10313941)
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Project Period (FY) |
2002
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2002)
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Budget Amount *help |
¥5,300,000 (Direct Cost: ¥5,300,000)
Fiscal Year 2002: ¥5,300,000 (Direct Cost: ¥5,300,000)
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Keywords | クロライドトランスポーター / 皮質板細胞 / カハールレチウス細胞 / 細胞移動 / GABA / グリシン / 国際情報交換 / ドイツ |
Research Abstract |
1.ラット胎仔脳への電気穿孔法を用いたEGFP遺伝子導入による移動細胞の可視化(井上、山田、福田): 移動中の細胞に特異的にEGFPを発現させて移動後の細胞と識別する為、ラット胎仔を用いて、CMVプロモーターによるEGFP発現プラスミドを用いた遺伝子導入を電気穿孔法により行った。しかし、有効な遺伝子発現が得られず、プロモーターをEF1に変更しても同様であった。そこで、マウス胎仔を用いてCAGプロモーターによる遺伝子導入を行ったところ、脳室帯の細胞にEGFPの蛍光を確認できた。今後は移動中の細胞のみを識別することを可能にするため、各種プロモーターによる発現時期の違いを検討する。 2.Cajal-Retzius細胞の生理学的特性と辺縁帯におけるシグナル伝達の解析(福田、岡部、Luhmann): 辺縁帯のtanential sliceを作成し、グラミシジン穿孔パッチクランプ法でCaial-Retzius細胞のグリシン応答と[Cl^-]_iを記録した後、Cr^-トランスポーターのKCC2(Cl^-排出)とNKCC1(Cl^-取込)及びglycine受容体subunit(alpha1,alpha2,beta)mRNAのsingle-cell RT-PCRを行って単一細胞でのそれぞれの発現パターンを解析した。Cajal-Retzius細胞では皮質板細胞に比べてNKCC1の発現が優位で、[Cl^<-1>]_iが約30mMと高い原因であると考えられた。また、グリシン応答のEC_<50>は皮質板細胞より小さいが、受容体subunit構成はいずれもalpha2/betaのヘテロであり、受容体密度がCajal-Retzius細胞>皮質板細胞であると考えられた。すなわちCajal-Retzius細胞は皮質板細胞からnon-synapticに放出されるタウリンに対し高感受性を有しており、これをパラクライン的なシグナルとして受けとる可能性が示唆された。次いで、電位感受性色素を用いた膜電位イメージングを行って辺縁帯の興奮伝播をリアルタイムで可視化した。電気刺激によりTTX感受性の興奮の伝播が辺縁帯に認められた。この伝播はCNQX/AP5の影響を受けず、picrotoxinおよびbumetanideにより完全にブロックされた。したがって、Cajal-Retzius細胞間のクロストークではNKCC1>>KCC2による高[Cl^-]_iによりGABAが興奮性伝達物質として作用していることが示唆された。
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Report
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Research Products
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