サル頭頂連合野における異種感覚情報の統合機序の研究
Project/Area Number |
14017054
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Biological Sciences
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
中村 克樹 京都大学, 霊長類研究所, 助教授 (70243110)
|
Project Period (FY) |
2002
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 2002)
|
Budget Amount *help |
¥5,200,000 (Direct Cost: ¥5,200,000)
Fiscal Year 2002: ¥5,200,000 (Direct Cost: ¥5,200,000)
|
Keywords | サル / 眼球位置 / 頭頂葉 / 神経細胞 / サッカード / ムシモル |
Research Abstract |
正確なサッカード(急速眼球運動)には、網膜上での視覚対象の位置情報と眼窩内における現在の眼球位置情報から、頭に対する視覚対象の位置を計算する必要があると考えられる。前年度までの研究から、サル頭頂葉の頭頂間溝後方領域に多数の眼球位置を再現する神経細胞が存在することが明らかになった。本年度は、こうした神経細胞を含む頭頂間溝後方領域が、本当に眼球位置の制御に重要であるか否かを検討するため、ムシモル(抑制性伝達物質であるGABAのアゴニスト)を微量注入し、サルの注視行動に与える影響を検討した。 サルに以下のような注視課題を訓練した。まず、サルが手元のレバーを押すとディスプレイ上に注視点が提示される。サルが注視点を1秒間注視すると、注視点が消える。サルは注視点が消えてもその位置に眼を留めておかなければならない。サルが1秒間眼球を動かさずにいると、再び注視点が提示される。サルがさらに1秒間注視し続けると、報酬が与えられる。この課題を用いれば、さまざまな位置に視覚手がかりなしにサルの眼球を留めることができる。この課題を遂行中のサル頭頂間溝後方領域にムシモルを注入したところ、特定の位置を注視する試行で顕著に注視エラーが見られることが解った。特に、注視エラーは視覚手がかりが消えている期間に起こった。この結果は、頭頂間溝後方領域が眼球位置の制御に関与していることを示唆するものである。 今後はさらに、ダブルサッカード課題を訓練して、サル頭頂間溝後方領域の神経細胞がどのように応答するかを検討し、視覚情報と眼球位置情報の統合過程や網膜位置情報から運動情報への変換過程を検討していく。
|
Report
(1 results)
Research Products
(1 results)