アルツハイマー病における神経細胞死とCDK5活性化サブユニットp35の限定分解
Project/Area Number |
14017078
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Biological Sciences
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
久永 真市 東京都立大学, 理学研究科, 教授 (20181092)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
斎藤 太郎 東京都立大学, 理学研究科, 助手 (70301413)
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Project Period (FY) |
2002
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2002)
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Budget Amount *help |
¥5,000,000 (Direct Cost: ¥5,000,000)
Fiscal Year 2002: ¥5,000,000 (Direct Cost: ¥5,000,000)
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Keywords | アルツハイマー病 / カルパイン / Cdk5 / リン酸化 / 神経細胞 / 加齢 / カルシウム |
Research Abstract |
アルツハイマー型老人性痴呆症は記憶を担う神経細胞が通常の老化より、より早く、より多く、細胞死により欠落して発症する記憶障害である。これまでにβアミロイド、プレセニリン、異常リン酸化タウなどの関与が示され、それらの研究が中心となってきた。しかし、それらと神経細胞死の関連は判っていない。最近、神経細胞死とCdk5活性化サブユニットp35のp25への限定分解の関連が示唆されている。本研究では、p35のp25への限定分解制御機構と神経の加齢との関連について検討した。培養神経細胞を長期間培養するとp25への限定分解が起こりやすくなっていた。これは脳スライスによる以前の実験を別の方法で確認したものとなる。分解のし易さは、脳内における分解酵素カルパインの活生化ではなく、p35の分解のされ易さに起因することが判った。脳の加齢に伴いp35のリン酸化状態が低下し、p25への分解が増加した。また、p35のリン酸化状態の低下は、p35のターンオーバー速度を低下させ、限定分解されうるチャンスを増加させているものと考えられた。p35のリン酸化状態については、Cdk5自身の活性とフォスファターゼ活性によるものの二つが機能しているようであった。胎児脳抽出液ではCdk5活性によるp35のリン酸化が見られるにも関わらず、成体脳抽出液では見られなかった。リン酸化されたp35を胎児脳抽出液と成体脳抽出液で脱リン酸化したとき、成体脳抽出液でより早い脱リン酸化が見られた。成体脳におけるp35のp25への限定分解し易さが成熟神経細胞の脆弱さの原因の一つになっていると考えられる。
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Report
(1 results)
Research Products
(6 results)