消化管粘膜免疫の特殊性を応用した腸管免疫機構の統御療法
Project/Area Number |
14021029
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Biological Sciences
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
渡辺 守 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (10175127)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
八木田 秀雄 順天堂大学, 医学部, 助教授 (30182306)
金井 隆典 東京医科歯科大学, 医学部附属病院, 助手 (40245478)
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Project Period (FY) |
2002
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2002)
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Budget Amount *help |
¥6,000,000 (Direct Cost: ¥6,000,000)
Fiscal Year 2002: ¥6,000,000 (Direct Cost: ¥6,000,000)
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Keywords | IL-7 / IL-7レセプター / 腸管免疫 / 粘膜リンパ球 / 腸管上皮細胞 / 骨髄細胞 / 慢性大腸炎 / 再生医療 |
Research Abstract |
本研究は炎症性腸疾患の発症・慢性化機序解明のため、既存の研究とは全く視点を変え、研究代表者が独自に見いだした粘膜局所におけるIL-7を介した新しい免疫調節機構、活性化IL-7レセプター陽性腸管粘膜内リンパ球による炎症惹起機構の考え方に加え、腸管粘膜再生の概念を導入することにより、腸管局所免疫機構の特殊性を利用した新しい治療法の開発を目指す目的で行われた。 本年度の研究では腸管上皮細胞が骨髄由来未熟T細胞に発現するIL-7受容体を表出することに注目し、腸管上皮細胞と腸管粘膜内T細胞が同じpathwayを通ることを推定し、ヒト骨髄由来細胞が内胚葉性の腸管上皮細胞に分化しうる可能性を見出した。 男性ドナーより同種骨髄移植を受けた女性レシピエントの腸管生検組織を用いて、食道、胃、小腸、大腸においてドナー由来腸管上皮の存在を明らかとした。この結果はこれまで否定されてきた腸管外由来の上皮細胞の存在を示唆する。更に、正常部おけるドナー由来腸管上皮の頻度は低率であったが、上皮再生過程における検討でGVHDの回復期小腸再生上皮では約10-15倍の頻度の上昇を認めた。更に胃潰瘍辺縁の再生上皮では正常腺管に比べ、30-40倍の頻度でドナー由来上皮細胞の存在を認めた。従って、ヒト骨髄由来細胞は急激な上皮傷害を起こした腸管上皮の再生過程をレスキューする役割を果たしていると考えられる。 本研究は腸上皮の病的状態、例えば難治性腸疾患における重篤な潰瘍性病変、炎症性病変に対して、骨髄由来細胞による粘膜上皮の再生を目指した治療法の開発につながるものとして注目される。来年度以降、現在解析しつつある腸管上皮の分化を制御する機構を担う分子に対するターゲット療法を開発することは今後、創薬に発展すると考えられる。
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Report
(1 results)
Research Products
(6 results)