抗C型肝炎ウイルス活性をもつ新しいヌクレオシド誘導体の合成と活性評価
Project/Area Number |
14021032
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Biological Sciences
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
関根 光雄 東京工業大学, 大学院・生命理工学研究科, 教授 (40111679)
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Project Period (FY) |
2002
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2002)
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Budget Amount *help |
¥4,700,000 (Direct Cost: ¥4,700,000)
Fiscal Year 2002: ¥4,700,000 (Direct Cost: ¥4,700,000)
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Keywords | BVDV / 3'-Ο-BDTチミジ / 増殖阻害 / ブレディニン / HCVの代替ウィルス / 抗C型肝炎ウイルス剤 / 4-N-メトキシカルボニルシチジン |
Research Abstract |
本研究では、HCVの代替ウィルスであるBVDVに対して阻害活性を有する3'-Ο-BDTチミジンをリード化合物として、より優れた抗BVDV活性を持つ誘導体の探索を行った。はじめに、BDT基の導入部位の違いが抗BVDV活性に及ぼす影響を調べた結果、抗BVDV活性を有するためにはヌクレオシド骨格が必要であり、しかも導入位置が3'-水酸基でなければならないことを明らかにした。つぎに、BDT基にどのような構造変化を施しても抗BVDV活性が失われることを明らかにした。次に、BDT基の構造を変化させるのではなく、BDT基を導入するヌクレオシドを変化させることで抗BVDV活性のさらなる向上を目指した。種々の3'-Ο-BDTデオキシリボヌクレオシドの抗BVDV活性評価の結果、抗BVDV活性は塩基部位の違いによって差が生じることを明らかにした。3'-Ο-BDT-5'-デオキシチミジンの抗BVDV活性評価の結果から、抗BVDV活性を有するにはヌクレオシドの5'-水酸基の存在が不可欠であることが明らかとなった。また、BDTヌクレオシドのBVDVに対する作用機序としてウィルスゲノム複製時に基質として取り込まれて何らかの増殖阻害作用を起こすのではないかと考えられる。2'-Ο-BDTリボヌクレオシドの抗BVDV活性値は、対応するデオキシリボヌクレオシド誘導体に比べて高いことが明らかとなった。このことは、BVDVがウィルスゲノム複製時の基質としてデオキシリボヌクレオシド三リン酸よりもリボヌクレオシド三リン酸を取りやすいことから説明できる。2'-Ο-BDTイノシンと2'-Ο-BDTグアノシンの抗BVDV活性値にほとんど違いが見られなかった。これはイノシン誘導体が生体内の酵素によって代謝され、グアノシン誘導体へと変化したためであると考えられる。ウィルスゲノムに対する変異原として働くことを期待して、グアノシンとアデノシンの両方と塩基対形成できると考えられる4-N-メトキシカルボニルシチジンを合成した。しかし、抗BVDV活性評価の結果、予期に反して活性は全く認められなかった。また、本研究を進めるなかでヌクレオシド類縁体であるブレディニンには選択的な抗BVDV活性が有ることを明らかにした。さらに、興味深いことにそのアグリコン部位である4-カルバモイルイミダゾリウム-5-オレートはブレディニンとほぼ同程度の抗BVDV活性が有ることを明らかにした。
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Report
(1 results)
Research Products
(7 results)