Project/Area Number |
14021045
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Biological Sciences
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Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
保富 康宏 三重大学, 医学部, 助教授 (90281724)
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Project Period (FY) |
2002
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2002)
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Budget Amount *help |
¥5,400,000 (Direct Cost: ¥5,400,000)
Fiscal Year 2002: ¥5,400,000 (Direct Cost: ¥5,400,000)
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Keywords | 経口ワクチン / 粘膜免疫 / DNAワクチン / HEV / HIV / VLP |
Research Abstract |
多くの感染症は生体の粘膜面から病原体が進入することによって引き起こされ、それゆえ粘膜面における特異的免疫誘導は重要である。本研究では経口的に感染を示すE型肝炎ウイルス(HEV)の遺伝情報はもたず構造だけを保存した極めて安全なウイルス様中空粒子(VLP)を用い経口的に投与できる粘膜免疫誘導型DNAワクチン開発の基礎的研究を行った。HEVのVLPをCaイオンをキレートすることにより分子間を広げDNAワクチンを挿入したところ、VLP内部に効率よく導入することが出来た。in vitroで種々の細胞株と混合培養すると細胞内に高率にDNAを導入する子tが示された。このDNAワクチン封入VLPをマウスに経口投与したところ自然感染と同様に小腸粘膜上皮にDNAの発現が確認された。免疫反応の誘導をみるためにヒトエイズウイルス(HIV)envのDNAワクチンをVLPに封入し同様に経口投与したところ、血清中にはHIV env特異的IgGならびにIgAが、糞便中には特異的IgAのみが検出された。HIV env特異的細胞傷害性Tリンパ球(CTL)は脾細胞、腸間膜リンパ節細胞ならびにパイエル板細胞より誘導された。VLPを用いず経口投与した場合はこれらの反応は認められなかった。以上の様にHEVのVLPを用いてDNAワクチンを経口投与すると全身的ならびに粘膜面に液性免疫および細胞性免疫が誘導されることが示され、近年問題となっている呼吸器、消化器、生殖器等の粘膜面から感染を示す感染症に対し、有効なワクチン投与法であると考えられた。
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