感染応答の制御因子としてのプロスタノイドの役割と分子機構
Project/Area Number |
14021053
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Biological Sciences
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
杉本 幸彦 京都大学, 薬学研究科, 助教授 (80243038)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 智之 京都大学, 薬学研究科, 助手 (40303846)
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Project Period (FY) |
2002
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2002)
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Budget Amount *help |
¥6,000,000 (Direct Cost: ¥6,000,000)
Fiscal Year 2002: ¥6,000,000 (Direct Cost: ¥6,000,000)
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Keywords | 大腸炎 / EP4受容体 / 腹膜炎 / EP2受容体 / 顆粒球コロニー刺激因子 / 上皮増殖因子 / 粘膜保護 / アスピリン |
Research Abstract |
感染の宿主応答におけるプロスタノイドの生理的役割とその分子機構を明らかにすることを目的として、プロスタノイド受容体欠損マウスを駆使して解析を行い、以下の知見を得た。 (1)大腸炎とEP4受容体 デキストラン硫酸誘発性の大腸炎モデルは、インドメサシン投与で劇症化し、PGE_2投与で緩和される。4種類のEP受容体欠損マウスのうち、EP4受容体KOが唯一、大腸炎の激化を示したことから、EP4受容体が本大腸炎モデルにおいて防御因子として寄与すること、また炎症像からの回復や腸管リンパ球の解析の結果、EP4による防御作用は少なくとも腸管上皮の保護作用ならびに腸管免疫の抑制作用の両作用を介することを見出した。 (2)LPS誘発性TNF産生とEP4受容体 リポポリサッカライド(LPS)をマウス腹腔に投与すると、血中TNFαレベルの亢進が一過性に見られるが、インドメサシンはこの値を上昇させ、PGE_2の同時投与は顕著に抑制させ、さらにEP4欠損マウスは野生型に比して有意に高い値を示すことを見出し、内因性のPGE_2はEP4を介してこのTNFレベルの抑制に寄与するものと考えられた。 (3)腹膜炎とEP2受容体 カゼイン誘発性腹膜炎モデルにおいては、インドメサシン処理で好中球の集積が緩和される。この際、腹腔内のPGE_2レベルと顆粒球コロニー刺激因子(G-CSF)レベルはよく相関したことから、そのメカニズムとして、PGE_2によるG-CSF産生調節が考えられた。腹腔好中球を用いた解析により、PGE_2は好中球のEP2受容体に作用してcAMP上昇させ、G-CSFの遺伝子発現の亢進を引き起こすことを見出した。
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Report
(1 results)
Research Products
(6 results)