胸腺外分化T細胞の生理的リガンドの探索と感染防御における病因論的役割の解析
Project/Area Number |
14021059
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Biological Sciences
|
Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
高橋 一郎 広島大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 教授 (20206791)
|
Project Period (FY) |
2002
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 2002)
|
Budget Amount *help |
¥4,800,000 (Direct Cost: ¥4,800,000)
Fiscal Year 2002: ¥4,800,000 (Direct Cost: ¥4,800,000)
|
Keywords | 粘膜免疫 / 胸腺外分化Tリンパ球 / サイトカイン / 免疫制御 / 微生物感染 / ワクチン |
Research Abstract |
研究目的:腸管粘膜には上皮細胞間リンパ球(IELs)とよばれるT細胞が上皮細胞6個に1個の割合で存在するが、その多くは胸腺外分化のT細胞である.これらIELsの発達分化を制御する生理的リガンドは不明のままである.最近ヒトγδIELsはストレスによって誘導されるMICAを認識すること、またγδT細胞に発現するNKG2DがMICAレセプターであることが明らかにされた.さらにRae-1とHSP60がNKG2Dリガンドとして機能している可能性が示された.こうした背景をふまえて分担研究者はIELsは、MICAのようなストレスによって誘導されるリガンドを発達分化に要求するものと考えた.本研究ではIELsの発達機構を明らかにする目的で腸管上皮でのNKG2Dリガンドの同定を試みる.さらにMICAを腸管に局所発現させた遺伝子改変マウスを作製し,胸腺外分化IELの発達分化機構について解明する. 方法:(1)マウス腸管上皮細胞でのNKG2Dリガンドの同定を試みる目的でNKG2Dテトラマーを作製し、免疫組織化学的にリガンドの解析を試みた.(2)thymic leukemia antigenに由来するT3bプロモーターを使った腸管局所発現性MICAトランスジェニック(Tg)マウスを作製した.(3)作製したMICA TgマウスのIELsをFACS法で,クロノタイプについてはPCR-SSCP法で検討した. 結果:(1)マウス小腸遠位部および大腸近位部粘膜の陰窩部上皮にNKG2Dテトラマーと反応するリガンドが存在することが明らかになった.またRae-1 β anti-sense RNAを用いてIn situ hybridization法にてその局在を検討したところ,小腸遠位と大腸近位の陰窩部粘膜にRae-1 β mRNAの発現がみられた.(2)今回新規に作製したMICA-Tgマウスでは小腸IELsにおいてCD4CD8αα^+αβT細胞の発達が亢進していた.このCD4^+CD8αα^+αβIELsはCD44, CD45RB, CD69などの活性化マーカーが陽性であった.またTCR発現様式とクロノタイプを解析すると、クローナルな増殖分化をうかがわせるTCRレパトア(すなわちVβ8.2-Jβ2.7)を示すことが明らかになった. 考察:NKG2DテトラマーとRae-1 β anti-sense RNAを用いてIn situ hybridization法を駆使した実験の所見よりIELの発達を促すリガンドのひとつとしてRae-1βなどのNKG2Dリガンドの関与が示唆された.また、MICA-Tgマウスの解析からIELsはMICA特異的に誘導される環境ストレス適応性の胸腺外分化T細胞である可能性が示唆された.
|
Report
(1 results)
Research Products
(5 results)